(読み)コウ

デジタル大辞泉 「巧」の意味・読み・例文・類語

こう【巧】[漢字項目]

常用漢字] [音]コウカウ)(漢) [訓]たくみ たくむ うまい
技術テクニック。「機巧技巧
てわざがうまい。たくみ。「巧言巧者巧拙巧知巧遅巧妙精巧老巧
[名のり]たえ・よし
難読乞巧奠きっこうでん

こう〔カウ〕【巧】

たくみなこと。上手なこと。「ろうして拙を成す」⇔

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精選版 日本国語大辞典 「巧」の意味・読み・例文・類語

こうカウ【巧】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) たくみなこと。じょうずなこと。りっぱなこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「然ればこのころ既に拙を去りて巧に就くことなきにはあらず」(出典:国歌八論(1742)歌源)
    2. [その他の文献]〔黄庭堅‐拙軒頌〕

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普及版 字通 「巧」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 5画

[字音] コウ(カウ)
[字訓] たくみ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は工(こう)。工は工具。(こう)は曲刀の形。〔説文〕五上に「技なり」と技巧の意とし、工を亦声とする。工作についていう字であるが、巧言・巧笑など、人の言動に及ぼしていう。

[訓義]
1. たくみ、たくみなわざ、上手。
2. こしらえ、つくり、いつわり、うわべ。
3. うるわしい、さとい、すばやい、たくみに。

[古辞書の訓]
名義抄〕巧 タクミニス・タクミ・イツハル・ミサヲ 〔字鏡集〕巧 イツハル・タクミ・コノム・ミサヲ・タクム

[語系]
巧・・攷khuは同声。刻鑿に用いる曲刀で、彫刻などに用いる。工kongと声義が近く、字の構造からいえば功・攻と同構の字である。

[熟語]
巧医・巧意巧奕巧黠巧猾・巧偽・巧技巧譎・巧慧・巧計・巧芸・巧・巧言・巧故・巧語・巧工巧詐・巧策・巧思・巧辞・巧者・巧手・巧従巧捷・巧匠・巧笑・巧心巧臣・巧進・巧人・巧拙・巧説・巧舌巧態・巧琢・巧遅・巧智巧緻巧偸巧佞・巧発・巧抜巧媚・巧敏・巧文・巧便・巧密・巧妙巧冶・巧巧吏・巧麗・巧歴
[下接語]
意巧・奇巧・機巧・伎巧・技巧・乞巧巧・献巧・工巧・詐巧・才巧・讒巧・邪巧・手巧・精巧・繊巧・善巧・多巧・智巧・天巧・諂巧・佞巧・繁巧・弁巧・便巧・妙巧・目巧・利巧・麗巧・老巧・弄巧

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【工芸】より

…このように工芸は,いく通りにも定義されてきたために,今日その概念はあいまいになっている。
[中国――工芸と巧]
 〈工芸〉はもともと中国の言葉で,その文献上の初出は,現在知られているところでは,《旧唐書(くとうじよ)》閻立徳伝(えんりつとくでん)である。宋代の百科事典,《太平御覧(たいへいぎよらん)》の工芸の部によると,それは射(弓を射ること),御(馬を御すこと),書,数(算数),画,巧,そして囲碁などの勝負を争う各種遊戯,これらにかかわる広い範囲での技能のことであった。…

※「巧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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