精選版 日本国語大辞典 「幟」の意味・読み・例文・類語
のぼり【幟】
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旗の一種。古式の旗である長旗の上辺に横上(よこがみ)をつけ、緒を設けて旗竿(はたざお)に結び付けたいわゆる流(ながれ)旗に対し、上辺と縦の一辺に乳(ち)をつけ、竿を通して二辺を固定した形式の旗をさす。流旗は、長くなびき竹木に絡まって不便なため案出された(『武用弁略』)というが、長旗の文様、意匠がより顕示されるためのくふうであり、集団戦の発達とともに、その軍事拠点、階層、所属などを明示する必要に応じた旗の一形式である。『南方紀伝』に、1456年(康正2)、畠山政長(はたけやままさなが)、義就(よしなり)の同族の戦争のおり、両者同じ旗で敵味方の識別がむずかしいので、政長が自軍の流旗に乳をつけ、竿を通して押し立てたのが幟の起源とあるが、確証はない。『三儀一統大双紙』に「旗の乳」の語があり、『日葡(にっぽ)辞書』(1598刊)にも「Nobori」と立項され、軍陣所用の旗とあるので、中世末期、戦国時代には普及していたのであろう。したがって『伊達(だて)日記』『水沢軍記』『大友興廃記』『安土(あづち)日記』『清正(せいしょう)記』などの軍記類、『長篠(ながしの)合戦図屏風(びょうぶ)』『関ヶ原合戦図屏風』『大坂夏の陣図屏風』などにみえる幟の描写は、後代の成立ではあるが、ほぼ戦国時代以降の実状を物語るものと考えられる。一般には、横手を竿の上端近くにつけて、長旗の上辺と、縦の左側に乳または縫含(ぬいぐるみ)(袋乳(ふくろち))をつけて、竿を通して張り立て、横手の上に招(まねき)と称する小形の長旗をつけるのが近世の定形で、乳付の長旗、縫含旗とも称される。大馬印(おおうまじるし)、旗指物(はたさしもの)の類には幟旗形式が多く、中世末期から近世初頭以降、流旗は衰退して軍陣から姿を消してしまう。したがって、幟旗が軍陣の旗の定式となり、意匠は簡明、闊達(かったつ)、長大なものとなり、1か所に同意匠のものを多数そろえて林立せしめ、自軍の勢力を誇示し、士気を高揚するとともに敵を威嚇した。武田信玄(しんげん)の孫子の旗5張、武田菱(びし)の紋の旗5張、また、徳川将軍家の総白(そうじろ)の旗20張、紋の旗7張などはその例であって、近世、軍陣の旗とは幟をさすのである。
[山岸素夫]
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…また,この日の食品には各地で特色あるものが作られる。 男児の初節供を祝い,前もって母親の実家や親戚から幟(のぼり)や鯉幟,武者人形,冑などを贈り,当日はそれらの人々を招いたりして返礼の行われることは全国的である。幟は両親の家紋がつけられ勇ましい鍾馗像等が描かれたもので,庭先に立てられたが,最近では屋内へ飾るものが多くなった。…
※「幟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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