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平家谷 へいけだに

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

平家谷
へいけだに

平家の落人が隠れ住んだといわれる土地の伝説。多くは山間の僻地であるが離島にも及んでいる。有名なものは九州の五家荘 (ごかしょう) ,椎葉,米良,喜界島,トカラ列島,四国の祖谷山 (いややま) ,新潟,長野両県境の秋山郷,福島県の只見川の谷々などである。これらの土地の住民は言語風俗に昔風を伝えており,平家言葉を使うなど高い誇りをもっている。川上から箸が流れてきて人里のあることが知られたなどの伝説が語られているように,平地と隔絶した僻地の生活に対して,出自を高い身分の流浪民とする貴種流離譚などがからみ合ってこの種の伝説が生じたと思われる。 (→隠れ里 )  

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百科事典マイペディアの解説

平家谷【へいけだに】

平家伝説

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大辞林 第三版の解説

へいけだに【平家谷】

平家の落人おちゆうどが隠れ住んだという伝承のある谷。熊本県八代やつしろ市五箇荘ごかのしようなど、各地に伝承がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

平家谷
へいけだに

平家の落人(おちゅうど)が隠れ住み着いたとする伝説の地。熊本県の五家荘(ごかのしょう)、宮崎県の椎葉(しいば)・米良(めら)、徳島県の祖谷(いや)、岐阜県の白川、福島県の檜枝岐(ひのえまた)などのほかに、山形県、宮城県などの東北地方の僻村(へきそん)に及び、全国では150か所以上存在している。これらの地の特徴は、他との交通を途絶した秘境であって、一つの治外法権の世界をつくり、物売りたちの入り込むことも少なかった環境である。狩猟や箕(み)作り、木地屋など特殊な機能民が定住した邑落(ゆうらく)か、戦乱を逃れて隠れ住んだ武士の隠田(おんでん)百姓の村が、平家の伝承を口承の流伝のなかから取り入れ、このような伝説の地を生んだと思われる。徳島の祖谷には、安徳(あんとく)天皇が二位の尼と当地で没したとか、平国盛(くにもり)が手兵二百騎で逃れてきたという。熊本の五家荘は、平清経(きよつね)が郎党と隠れたと伝える。小松某の子孫とか、古墳や塔を祀(まつ)る地もある。それらのほとんどは下級宗教家による怨霊鎮撫(おんりょうちんぶ)の平家の語りが、いつしか隠れ里の自己に置き換えられ、さらにその邑落の旧家に武具でも保存されていれば、真実性を加えることになる。周囲にも都への憧憬(しょうけい)や貴種を尊重する心理が働いて、隔絶した地域差と時代差がいつしか平家の末裔(まつえい)を信じるようになったものであろう。[渡邊昭五]

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