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府兵制 フヘイセイ

百科事典マイペディアの解説

府兵制【ふへいせい】

中国,西魏)に始まる兵農一致の徴兵制で,日本古代の軍制の祖型となったもの。北周・隋を経て唐で整備された。では全国に600余の折衝府を設け,均田農民(均田法)の中から壮丁を3年ごとに選んで府兵とし,租庸調を免除して農閑期に折衝府に集めて訓練し,また衛士として輪番で国都や辺境の守備に当たらせた。
→関連項目開元の治

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世界大百科事典 第2版の解説

ふへいせい【府兵制 Fǔ bīng zhì】

中国,西魏・北周・隋・唐で行われた兵制。唐代では〈軍防令〉に規定され,日本古代の軍団の制の祖型となった。中国では有力な将軍が軍府を開く制度があり,魏晋南北朝になると中央・地方に軍府が置かれ,その兵を府兵と称した。しかし狭義の府兵制は,西魏が550年(大統16)前後に編制を完了した二十四軍に始まるとされている。東魏に一敗した西魏は,関中地方の豪族に郷兵(郷民の招募による軍団)を組織させ,従来の胡族部隊とともに中央軍に編制した。

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大辞林 第三版の解説

ふへいせい【府兵制】

中国、西魏に始まり、隋唐時代に整備された兵農一致の兵制。唐代では均田制下の丁男を選抜、宮中警固の衛士、辺境防備の防人とした。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

府兵制
ふへいせい

中国の北朝、隋(ずい)、唐で行われた軍隊制度。550年ごろ西魏(せいぎ)の丞相(じょうしょう)宇文泰(うぶんたい)が地方に儀同府(ぎどうふ)という軍政機関を設け、その府兵をもって二十四軍を組織したのに始まるとされる。もともと後漢(ごかん)以来の将軍府、都督府を軍府と総称し、各軍府所属の兵を某々府兵といったが、隋・唐に至って各種軍府を整理し、軍事行政を民政系統の州、郡、県から切り離して中央直轄とした。こうして地方常設の軍府としては鷹揚(ようよう)府(隋)、折衝(せっしょう)府(唐)だけが置かれることとなり、その兵がすなわち府兵とされた。彼らは農民のなかから一定数を選抜し、農閑期に訓練を施す農民兵で、装備、食料を自弁させ、軍馬の飼養を割り当てるなどするかわり、在役期間中の徭役(ようえき)、租税を免除し、これを軍府の長官たる鷹揚郎将(隋)、折衝都尉(唐)などが率いて中央の十二衛に交替上番させ、あるいは辺境の鎮守に防人として交替で派遣した。こうして全国的共通母体から兵士を徴集し、中央、地方、辺境を一本に結び付ける制度として唐代に完成をみたが、軍府の大半が長安・洛陽(らくよう)周辺に集中して負担が偏り、また国内治安が主目的で、辺境防備や遠征軍は多量の臨時徴募兵に頼らねばならなかった。749年に至り形骸(けいがい)化したため停廃された。[菊池英夫]
『菊池英夫著『府兵制の展開』(『岩波講座 世界歴史5』所収・1970・岩波書店)』

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世界大百科事典内の府兵制の言及

【軍制】より

…西魏の宇文泰(505?‐556)は,漢人徴募兵を直属させて六柱国・十二大将軍・二十四開府儀同が統率する二十四軍に編成,恒常的に儀同府に統轄し,郡県の戸籍から分離し,賦役を免除した。これらは,当番出動以外は農業に従事する民兵であって,隋・唐の衛・府兵制の起源とされる。 隋は禁衛軍として十二衛を確立,府兵の徴募母体を民戸全体に及ぼし,地方でも軍政民政を分離して軍権の中央直属を強化した。…

【唐】より

… 武韋時期を経過した時点で,隋以来の律令体制の破綻は,もはや誰の目にも明らかとなっていた。例えば,兵農一致の原則に立つ,西魏以来の府兵制は崩れ,傭兵による募兵制が採用され,その軍団の最高司令官として,膨大な兵力を左右できる節度使が設けられた。節度使の起源は,シルクロードの安全を確保するために涼州におかれた710年(景竜4)の河西節度使に始まり,742年(天宝1)には辺境にいわゆる十節度使が設けられるまでになった。…

※「府兵制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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