デジタル大辞泉 「引付ける」の意味・読み・例文・類語 ひき‐つ・ける【引(き)付ける】 [動カ下一][文]ひきつ・く[カ下二]1 近くに引き寄せる。手元に近づかせる。「明かりで虫を―・ける」2 (「惹き付ける」とも書く)人の心を誘い寄せる。「人を―・ける魅力」「巧みな話術に―・けられる」3 無理やり他の場合にあてはめる。こじつける。「自分にいい方に―・けて考える」4 痙攣けいれんを起こす。特に、小児が発作性の全身痙攣を起こす。「赤ん坊が夜中に―・ける」[類語](1)引っ張る・手繰り寄せる・引き寄せる・吸い寄せる・引く・引きずる・引き絞る・手繰る・手繰り込む/(2)魅する・魅了・魅惑・蠱惑こわく・吸い寄せる・心を捉える・魅力的・蠱惑こわく的・素敵・印象的・印象深い・感慨深い・チャーミング・興味津津・興味深い・面白い・エキサイティング・心に染みる・心に残る・心を打つ・心を動かす・胸を打つ・胸に迫る・味わい深い 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「引付ける」の意味・読み・例文・類語 ひき‐つ・ける【引付・引着】 [ 1 ] 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]ひきつ・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙① 付着させる。くっつける。つける。ひっつける。[初出の実例]「小鳥しるしばかりひきつけさせたる荻の枝など」(出典:源氏物語(1001‐14頃)松風)② 手元に引き寄せる。近くに寄せる。近づける。[初出の実例]「其の後、国の目代として、万の事を知せて、引付て仕けるに」(出典:今昔物語集(1120頃か)二八)③ 職務等を他人に移管する。[初出の実例]「久米郡寺用事、替文付候者、忩々、可レ引二付政所頭左衛門入道一候也」(出典:金沢文庫古文書‐(年未詳)(鎌倉)二月二日・兼雄書状(五五六))④ 証明する。証拠だてる。[初出の実例]「罪の条々をかきつけて、ひきつけひきつけして責るぞ」(出典:漢書列伝竺桃抄(1458‐60)張湯第二九)⑤ 誘って近づける。誘い入れる。[初出の実例]「かの兵法者に弟子共あまた引き附けたり」(出典:咄本・醒睡笑(1628)一)⑥ 手元に引き寄せて動けなくする。[初出の実例]「懐剣を持ったるおまさ実は七綾を引付(ヒキツ)けゐる」(出典:歌舞伎・四天王楓江戸粧(1804)二番目)⑦ ( 「惹付」とも書く ) 魅力で誘い寄せる。魅惑する。[初出の実例]「何となく人の心を嫵(ヒキツ)ける樸実なところがあった」(出典:破戒(1906)〈島崎藤村〉一五)⑧ もってきてそれに当てはめる。[初出の実例]「銘々の身の上に引付けて見ると」(出典:明治の光(1875)〈石井富太郎編〉二)[ 2 ] 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙 痙攣(けいれん)を起こす。多く、小児のひきつけを起こすのにいう。[初出の実例]「いとおもき皰瘡(もがさ)にて、熱気つよく目をひきつけて」(出典:読本・昔話稲妻表紙(1806)二)「祖母や母は赤児がひきつけた位に驚いて」(出典:和解(1917)〈志賀直哉〉七) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by