素敵(読み)ステキ

デジタル大辞泉 「素敵」の意味・読み・例文・類語

す‐てき【素敵/素的】

[形動][文][ナリ]《「すばらしい」の「す」に、接尾語てき」の付いたものという。「素敵」「素的」は当て字
自分の気持ちに合っていて、心を引かれるさま。非常にすぐれているさま。「―な服装
程度がはなはだしいさま。
「―に堅そうな首を、…ひろい肩の上にしっかりすげ込んだようにして」〈露伴・観画談〉
[類語](1素晴らしい得も言われぬ見事みごと立派最高絶妙卓抜秀逸結構目覚ましい輝かしいたえなる上手巧みうまい巧妙老巧達者器用賢い上出来上上物の見事結構尽くめ何より・申し分が無い・言う事無し天晴れナイスワンダフル目の覚めるよう目に染みる冴える水際立つグーグッド良い好ましい程よい好個絶好最適魅力的蠱惑こわく蠱惑こわく魅する魅了魅惑印象的印象深い感慨深い引き付ける吸い寄せるチャーミング興味津津興味深い面白いエキサイティング心に染みる心に残る心を打つ心を動かす心を捉える胸を打つ胸に迫る味わい深いめぼしい目立つ引き立つ顕著著しい際立つ光る目を引く人目を引く人目につく目に立つひときわおも立つとりわけ値千金掛け替えのない群を抜く卓出卓越卓絶逸出抜群抜きん出る飛び抜けるずば抜ける頭抜ける並外れる人並み外れる度外れ断トツ非凡出色傑出一日いちじつの長素人離れ玄人はだし超人的

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「素敵」の意味・読み・例文・類語

す‐てき【素敵・素的】

  1. ( 「すばらしい」の「す」に「てき(的)」のついたものという。「素敵」はあて字 )
  2. [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙
    1. 程度がはなはだしいさま。度はずれたさま。滅法。
      1. [初出の実例]「すてきに可愛がるから能(いい)」(出典滑稽本浮世風呂(1809‐13)前)
      2. 「『お二人で十八杯あがりました。丁度三百でござります』『そいつは素敵(ステキ)だの、てめえ、銭はあるか』」(出典:歌舞伎曾我梅菊念力弦(1818)三立)
    2. 非常にすぐれているさま。すばらしい。
      1. [初出の実例]「壱歩出しゃア、すてきなやつが買らアな」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)初)
      2. 「愛子は、ふむ、これは又素的な美人ぢゃないか」(出典:或る女(1919)〈有島武郎〉)
  3. [ 2 ] 〘 名詞 〙 「すてき(素敵)[ 一 ]」のような人。特に、美人。
    1. [初出の実例]「親方衆に素敵(ステキ)を見せに、一緒に連れて来ようわいなア」(出典:歌舞伎・綴合新著膝栗毛(1863‐80)二幕)

素敵の語誌

( 1 )[ 一 ]が本来の意味であり、一九世紀初頭ころから、江戸のやや俗な新しい流行語として、庶民の間で用いられはじめたものらしい。
( 2 )明治に入ると、[ 一 ]の意味に限定されてくる。
( 3 )初期の例は多く仮名書きであるが、後に「素的」の表記が広まり、昭和以降は次第に「素敵」が一般化したようである。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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