出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
愛知県南西端の市。2006年4月弥富町が十四山(じゆうしやま)村を編入,市制施行して成立した。人口4万3272(2010)。
弥富市北東部の旧村。旧海部(あま)郡所属。人口5618(2005)。濃尾平野南部に位置し,東は名古屋市に接する。木曾川河口の三角州地帯にあり,17世紀中ごろから約100年間に海辺を干拓して造成された。米作,養鶏,施設園芸を主体とする農業が盛んで,1959年の伊勢湾台風で大被害を受けたのを契機に土地改良や農業構造改善事業が進んだ。南東部を西尾張中央道,北西部を国道1号線が走る。
弥富市の北東部を除く旧町。旧海部郡所属。人口3万6957(2005)。濃尾平野の南西端にあたり,南へのびる木曾川の三角州に堤防を築いて開拓した低湿な水田地帯である。米作のほか,野菜や花卉の栽培,畜産も盛んであり,1946-55年に造成された南部の鍋田干拓地では大型機械による農業が営まれている。前ヶ須地区を中心に金魚の養殖,ブンチョウの養鳥が行われる。JR関西本線,名鉄尾西線,近鉄名古屋線,東名阪自動車道,国道1号線が通じる北部一帯は名古屋市近郊の通勤圏に含まれ,住宅団地が集中して市街地を形成している。伊勢湾岸自動車道が通じる南部の海岸部では,工業地域も形成されている。地盤沈下地帯でもあり,1959年の伊勢湾台風では高潮による被害が大きかった。
執筆者:萩原 毅
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
愛知県西部にある市。1903年(明治36)に町制を敷き、1955年(昭和30)に鍋田(なべた)村および市江(いちえ)村の一部を合併。2006年(平成18)十四山村(じゅうしやまむら)を編入して市制施行、弥富市となる。近畿日本鉄道名古屋線、JR関西本線、名古屋鉄道尾西(びさい)線、国道1号、23号、155号が通じ、東名阪自動車道(ひがしめいはんじどうしゃどう)と伊勢湾岸自動車道(いせわんがんじどうしゃどう)のインターチェンジがある。木曽(きそ)川左岸の干拓地で、金魚と白文鳥の産地。金魚養殖は前ヶ須(まえがす)、平島(へいじま)が中心で、生産額は日本有数。荷之上(にのうえ)の服部(はっとり)家住宅3棟は国の重要文化財。南部の鍋田干拓地は、伊勢湾台風(1959)で水没したが復興、干拓地の一角には弥富野鳥園がつくられた。近くには、名古屋競馬の弥富トレーニングセンターがある。面積49.11平方キロメートル(境界一部未定)、人口4万3025(2020)。
[伊藤郷平]
『『弥富町誌』全4冊(1990~1994・弥富町)』
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