心掛け(読み)ココロガケ

デジタル大辞泉 「心掛け」の意味・読み・例文・類語

こころ‐がけ【心掛け/心懸け】

ふだんの心の持ち方。「―がよくない」「ふだんの―しだいである」
たしなみ。心得。
「有っても一向―のございません僕なんざ、…つい気がつかないで了います」〈鏡花婦系図
[用法]心がけ・心がまえ――「日ごろの心がけ(心構え)がものをいう」「そんな心がけ(心構え)では、行く末が思いやられる」など、心の持ち方の意では相通じて用いられる。◇「心がけ」は日常の心のあり方をさすことが多く、「こつこつ貯金するとは、いい心がけだ」「日ごろの心がけが悪い」などという。◇「心構え」は、ある事柄に対して心の準備をすることで、「老後の心構えをしておく」「親としての心構えを聞く」と用いる。◇類似の語に「気構え」がある。「リハーサル本番とでは気構えが違う」「子供を育てながら働く気構えでいる」のように、はっきりとした意志決意をともなった心の準備状態をいう。
[類語]心構え気構え腹積もり心積もり用心注意警戒戒心配慮用意留意気配り気遣い配慮心遣い顧慮細心気兼ね屈託心配目配り高配気遣う気を遣う気を利かせる気を配る心を配る心を砕く目が届く行き届く

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「心掛け」の意味・読み・例文・類語

こころ‐がけ【心掛・心懸】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 心がけること。気を配ること。心の用意。心構え。
    1. [初出の実例]「同其下人きりしたんならば御おきての旨を保つ様に心懸をなしたりや否やと糺すべし」(出典:さるばとるむんぢ(1598))
    2. 「王維や淵明の境界を今の世に布教して広げやうと云ふ心掛も何もない」(出典:草枕(1906)〈夏目漱石〉一)
  3. たしなみ。心得。
    1. [初出の実例]「書記いて、跡で配分をせうと思ふて矢立を用意した。夫は能心掛じゃ」(出典:虎寛本狂言・文山立(室町末‐近世初))
    2. 「さすが武士の妻女のはてとて、心がけの長刀かいとりとび出るを」(出典:浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)四)

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