六訂版 家庭医学大全科 の解説
慢性活動性EBウイルス感染症
まんせいかつどうせいイービーウイルスかんせんしょう
Chronic active EB virus infection
(子どもの病気)
どんな病気か
慢性活動性EBウイルス感染症では
原因は何か
伝染性単核球症と同じEBウイルスが原因ですが、感染ウイルス量が100~1000倍以上多いのが特徴で、始まりは1個の感染細胞からくるがんと同じクローン性の感染です。
症状の現れ方
何カ月も続く発熱、リンパ節・肝臓・脾臓のはれ、発疹、蚊アレルギー、肺炎、慢性(活動性)肝炎、慢性・反復性下痢などが高頻度にみられます。合併症には死に至るものが多く、心筋炎、心内・外膜炎、
検査と診断
EBウイルス抗体、EBウイルス量、EBウイルスが主に感染しているリンパ球(T細胞、NK細胞)、リンパ球の分類(サブセットという)、血液検査、肝機能検査、免疫グロブリンなどを測定します。白血球は減ることが多く、血小板減少、血球
EBウイルス感染症研究会が提唱している診断基準では、①既知の免疫不全症やリウマチ性疾患が否定されること、②前述のような長引く伝染性単核球症様症状がみられ、③EBウイルス抗体価の異常、EBウイルス量の著しい増加の3点が重要です。
発熱、リンパ節・肝臓・脾臓のはれなどが持続するので、若年性関節リウマチ、リウマチ熱、川崎病、急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫などとの区別が必要です。
治療の方法
確立された治療法はなく、免疫療法、悪性リンパ腫に準じた抗がん剤の多剤併用療法、抗ウイルス療法などが試みられてきました。これらの治療はある程度有効ですが、その効果は一時的で、完治には至りません。造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)移植(
病気に気づいたらどうする
普通のかぜにしては変だと感じたら、必ず昼間の診察時間に病院を受診してください。子どもの病気は、どの病気であっても最初は小児科を受診するのがよいでしょう。
蚊アレルギーのある場合には、蚊に刺されないように注意します。
脇口 宏
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報