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歌舞伎(かぶき)舞踊劇。常磐津(ときわず)。本名題(ほんなだい)『戻橋恋(こい)の角文字(つのもじ)』。河竹黙阿弥(もくあみ)作。1890年(明治23)10月、東京・歌舞伎座で5世尾上(おのえ)菊五郎の小百合(さゆり)実は鬼女、初世市川左団次の渡辺綱(わたなべのつな)による初演。作曲6世岸沢式佐(しきさ)、振付け初世花柳寿輔(はなやぎじゅすけ)。渡辺綱が夜の一条戻橋で、扇折小百合という美女と道連れになり、女のクドキ模様のうち、これを愛宕山(あたごやま)の悪鬼の化身と見破って立回りとなり、その片腕を切り落とす。菊五郎が家の芸「新古演劇十種」に選んだもので、その後は6世尾上梅幸(ばいこう)が得意とし、現代に伝わった。小百合のクドキ、見あらわしなどが眼目で、幕切れには鬼女が綱の襟(えり)をつかんで宙乗りになる演出もある。
[松井俊諭]
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出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
…橋は平安京造都のときから存在したと思われるが,後にここが橋占(はしうら)(橋)をする場所となり,各種の伝承が発生して著名となった。戻橋の名は,文章博士三善清行死去の報をうけたその子浄蔵が急きょ帰洛,橋上で父の葬列にあい,嘆き悲しむと,父が一時蘇生したのに由来するという。源頼光の四天王渡辺綱が橋上で美女に逢い,その美女が鬼の本性を現したので片腕を切り落とした話は著名で,これを劇化したものに河竹黙阿弥の《戻橋》がある。…
…頼光四天王の活躍にからむ人物には,身替りの先駆をなす頼光の弟美女丸や平井保昌,和泉式部,小式部,周防内侍などの女性のほか,盗賊の袴垂保輔(はかまだれやすすけ),鬼同丸(きどうまる)がいる。取材された伝説としては,大江山の酒呑童子退治,羅生門や戻橋での渡辺綱の鬼女退治,葛城山の土蜘蛛退治,市原野での頼光の鬼同丸退治,足柄山で山姥となった八重桐に生み育てられる怪童丸(のちの金時)の怪力譚などがあげられる。これらはすでに,能や古浄瑠璃にも採り入れられて,多くの作品を生み出している。…
…橋の名称に注意すると,たとえば,〈戻り橋〉というのは,昔,西行がここにきて,子どもと問答して,行く末が暗示され,そのまま橋を渡らず引き返したというモティーフである。京都一条堀川の一条戻橋は,橋のところで死者が蘇生(そせい)した話に由来する。平安時代の学者三善清行が死んだとき,子の浄蔵貴所は,熊野参詣の途次で不在だった。…
※「戻橋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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