デジタル大辞泉 「放る」の意味・読み・例文・類語
ほう・る〔はふる〕【放る/×抛る】
1 遠くへ投げる。乱暴に、または無造作に投げる。「ボールを―・る」「新聞を―・ってよこす」
2 途中でやめる。また、そのまま放置する。「勉強を―・って遊びに行く」「泣いても―・っておく」
3 あきらめて放棄する。「試験を―・る」
→投げる[用法]
[可能]ほうれる
[類語]投げる・投ずる・ほうり投げる・ほっぽる・ぶん投げる・投げつける
( 1 )「はふる(放)」と、「はふる(溢)」「はふる(屠)」「はぶる(葬)」「はふる(羽振)」などは、清濁の決定し難い面もあるが、基点とする場所から離れる、または離れさせるという意味を共通に持っているので、語源を同じくすると考えられる。
( 2 )本来、四段活用で他動詞、下二段活用で自動詞を表わしていたが、平安時代以降、四段活用「はふる」に代わって「はふらす」「はふらかす」が他動詞として使われるようになる。
( 3 )[ 二 ]に関して「改正増補和英語林集成」には「Hafureru(ハフレル)」という下一段活用の例が見られる。
くしゃみをする意の「ひる(嚔)」と同語源。「新撰字鏡」に「放屁 戸比留」、「十巻本和名抄‐二」に「放屁 倍比流」の例もある。これらは「戸比利虫」(新撰字鏡)、「久曾比理乃夜万比」(和名抄)などの「ひり」から推して、中古早くから四段活用だったと思われるが、より古くは、「ひる(嚔)」と同じく上一段活用(上代は上二段活用)だったかと考えられる。