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日本の貨幣制度 にほんのかへいせいど

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

日本の貨幣制度
にほんのかへいせいど

貨幣鋳造および独占的発行の権利は貨幣高権(造幣高権)coinage prerogativeと呼ばれ,国家主権の中枢を占める。明治政府は,近代国家建設においてまず近代的貨幣制度の確立に腐心し,明治2(1869)年から新貨幣の発行を検討し始めた。同 4年新貨条例の制定により貨幣の単位が「」から「」となった。当時太政官札などの政府紙幣,国立銀行紙幣(→紙幣)が流通していたが,1877年の西南戦争に際して乱発されインフレーションが発生した。1882年の日本銀行条例の制定によって日本銀行が設立され,銀行券を独占的に発行することになり,1884年兌換銀行券条例によって 1885年5月から銀貨兌換の銀行券を発行(→銀本位制度),1888年同条例の改正により保証準備発行屈伸制限制度(屈伸制限制度)を採用した。1899年末かぎりで政府紙幣,国立銀行紙幣ともに流通が禁止され,日本銀行発行の兌換銀行券(→兌換券)に統一された(→松方財政)。1897年貨幣法を制定,同時に兌換銀行券条例を改正して金貨兌換に改め金本位制度に移行,第1次世界大戦中の 1917年9月に金本位制度を停止するまで 20年間続いた。1930年1月金本位制度を再開したが(→金解禁),翌 1931年12月再停止(金輸出再禁止),1932年6月兌換銀行券条例を改正,保証発行の限度を 1億2000万円から 10億円へと大幅に引き上げ,事実上の管理通貨制度へ移行した。1941年同条例の臨時特例法を制定し最高発行額屈伸制限制度(→最高発行額制限制度)を採用し,翌 1942年日本銀行法の改正によりこれを恒久的制度に定め,兌換銀行券の名称も日本銀行券と改められた。1997年に成立した改正日本銀行法により最高発行額屈伸制限制度と発行保証制度は廃止され,発行額は日本銀行の自由裁量となった。今日,現金通貨は日本銀行券と補助貨幣からなり,これに預金通貨を加えたものが狭義のマネー・サプライと呼ばれ,管理通貨制度のもとでの基本的指標となっている。

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