日本協同党(読み)にほんきょうどうとう

改訂新版 世界大百科事典 「日本協同党」の意味・わかりやすい解説

日本協同党 (にほんきょうどうとう)

1945年12月18日に結成された保守政党。第2次大戦後,資本主義の修正を協同主義として追求するいくつかの新党が出現したが,その基点となる党であり,船田中,井川忠雄,千石興太郎ら,かつての農業会,産業組合の中心人物によって創立された。綱領には〈皇統護持〉し〈一君万民の本義に基く〉ことがうたわれ,同時に〈協同組合主義〉が掲げられた。協同組合主義とは〈協同組合を根幹として都市および農村漁村の相互扶助に依る民生の安定を図ると共に農工商一如の生産体制の確立振興を期す〉(政策大綱)ることであると説明されている。〈資本の独占と凡ゆる封建的要素を打破〉することも目標とされていた。46年4月の総選挙で14名を当選させ,自由党社会党共産党の3党とともに4党共同委員会を構成,幣原喜重郎内閣を退陣させることに成功した。同年5月,協同組合主義を唱える小党派を結集協同民主党を発足させた。協同民主党は,47年,国民協同党となる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日本協同党」の意味・わかりやすい解説

日本協同党
にほんきょうどうとう

日本の政党。第2次世界大戦後,中間主義的立場をうたい結成された保守的小政党。1945年12月船田中,黒沢酉造,北勝太郎,井川忠雄ら二十数人によって結成されたが,所属議員の大半が 1946年1月に公職追放された。委員長山本実彦労使協調,協同組合主義を掲げ,その基盤は主として都市商工業者,富農層にあった。1946年4月の第22回衆議院議員総選挙には 14人が当選したが,選挙後,党勢拡張の工作を行なうなかで日向民主党,日本農本党との間に合同の交渉があり,これがまとまって同 1946年5月,結成後半年足らずで協同民主党となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本協同党」の意味・わかりやすい解説

日本協同党
にほんきょうどうとう

1945年(昭和20)12月18日、船田中(ふなだなか)、千石(せんごく)興太郎、北勝太郎らが結成した中道政党。委員長は山本実彦(さねひこ)。地主・富農・中小商工業者を基盤とし、綱領に皇統護持と協同社会主義を掲げ、政策大綱でも「農工商勤労者一如の生産体制の確立」「資本の独占と凡(あら)ゆる封建的要素の打破」をうたうなど、資本主義と社会主義の中間にたつ中道政治を目ざした。1946年4月の総選挙で14名の当選をみ、幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)内閣の政権居座りに対しては日本自由党、日本社会党、日本共産党と幣原内閣打倒共同委員会を結成し、倒閣運動を展開した。1946年5月24日、同じ協同主義にたつ日本農民党、日向(ひゅうが)民主党と合同、協同民主党となった。

[吉田健二]

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百科事典マイペディア 「日本協同党」の意味・わかりやすい解説

日本協同党【にほんきょうどうとう】

1945年に旧代議士船田中らにより結成された中間派小政党。協同組合を根幹とした民生の安定と農工商一体となった生産体制の確立振興を期した〈協同組合主義〉をうたい,労資協調を主張。幣原(しではら)喜重郎内閣から吉田茂内閣への過渡期の1946年5月日向(ひゅうが)民主党・日本農民党と合同して,協同民主党を結成。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「日本協同党」の解説

日本協同党
にほんきょうどうとう

第2次大戦後の政党。戦中の大日本政治会の一部,船田中・赤城宗徳らの護国同志会の政治家を中心に,1945年(昭和20)12月に結成。委員長山本実彦。戦前の産業組合関係者が多く参加し,綱領に協同組合主義をうたい,政策大綱では労資協調にもとづく生産体制の確立,資本独占とあらゆる封建的要素の打破を掲げた。翌年4月の総選挙ではふるわず,選挙後の同年5月,日本農本党・日向民主党と合同して協同民主党を結成した。

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旺文社日本史事典 三訂版 「日本協同党」の解説

日本協同党
にほんきょうどうとう

1945年12月に結成された労使協調の中道政党(〜'46)
船田中ら20数名で結党。委員長は山本実彦。1946年4月の総選挙で14名の当選者を出したが,同年5月,吉田茂内閣の成立に際し,日向 (ひゆうが) 民主党・日本農本党と合同,協同民主党を結成した。

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