木工具(読み)もっこうぐ(英語表記)woodworking tool

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

木材を加工するための道具。日本ではほとんどが木造建築であったため,古来から種々の木工具が使われてきた。古墳時代の出土品や正倉院宝物から,手斧 (ちょうな) ,横挽 (び) き,のみ,槍鉋 (やりがんな) などがあったことがわかる。中世後期になって,縦挽き鋸と台が出現し,縦挽き鋸で多量の薄板が容易につくれるようになり,台鉋で木材仕上げは画期的な発展をした。台鉋から,平鉋のほかに溝鉋丸鉋など種々の鉋が工夫され,明治になって,二板鉋ができた。また加工する寸法や位置を決めるための,差し金,巻尺罫引 (けびき) ,墨さし,墨壺などもある。現在では,電動式の木工機械が開発されている。

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世界大百科事典 第2版の解説

木材を素材に,主として手技のみの作業で,さまざまなものを作るときに用いられる,截断,切削またはその補助用の各種の道具類の総称太古から木材は人間生活にかかわり合いが深く,これを加工するための木工具は,農耕具や狩猟具とともに,もっともなじみの深いものである。木工具は長い間にきわめて洗練された形と機能を持ち,そのさまざまな機能は,現代の工作用諸機械類にそのままうけつがれていることが多い。伝統的に木造建築が主体であった日本においては,〈大工道具〉がよく知られているが,ここではこれも木工具の一部として扱う。

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世界大百科事典内の木工具の言及

【木工芸】より

…弥生時代には漸次鉄製工具も普及し,各種の生活用具も豊かになった。椀や高杯には明らかに木工具としての轆轤の使用も認められ,その接合部には枘仕口(ほぞしぐち)の手法もうかがわれ木工技術に進展がみられる。古墳時代には鉄製木工具の急激な機能上の発達をみ,また多数の工人の渡来により,飛躍的な技術の進歩がもたらされた。…

※「木工具」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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