(読み)ワク

デジタル大辞泉 「枠」の意味・読み・例文・類語

わく【枠/×框】

木や竹などの細い材で、器具建具などのふちにしたもの。かまち。「眼鏡の―」「窓―」
物の周囲をふちどる線。また、境などを示すため、四方を取り囲むもの。「答えを―で囲む」「黒い―の死亡記事」
コンクリートなどを流し込んで形を作る箱形の板。パネル
ある制限の範囲。限界。「予算の―を超える」「採用の―を広げる」「―にはまった生き方」
(ふつう「籰」「篗」と書く)糸を巻く道具。同じ長さの2本または4本の木を対にして並べ、横木で支えて固定し、中心部に軸をつけて回転するようにしたもの。
[補説]「枠」は国字
[類語]領域領分縄張り範囲テリトリー区画区域区間帯域境域ブロックエリアゾーン

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「枠」の意味・読み・例文・類語

わく【枠・&JISF792;・・&JISED85;・框】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 籰・ ) 綛糸(かせいと)を巻きかえす道具。二本または四本の木を対にして、横木にうちつけ、中央部に軸を設けて回転するようにしたもの。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
    1. 籰<b>①</b>〈和漢三才図会〉
      〈和漢三才図会〉
  3. 器具・建具・窓などの周囲に組んだ細い材。
    1. [初出の実例]「は竹てわくをして子を載する者そ」(出典:足利本論語抄(16C)子路第十三)
  4. 仕切り・境界・範囲などを示すために四方に引かれた線。また、そこに設けた施設。
    1. [初出の実例]「上手よしずをたたみし出茶屋の籰」(出典:歌舞伎・盲長屋梅加賀鳶(1886)序幕返し)
  5. ( ふつう「框」と書く ) 物の形が変わったり乱れたりしないために使用する具。型。
    1. [初出の実例]「籊(ワク) 〈略〉三条五条の橋の敷石は籊をたよりとせり」(出典:俳諧・類船集(1676)和)
  6. 薄い板などを折り曲げて作った箱。折り箱。折り。
    1. [初出の実例]「おつま鰻を枠へ入れて客の前へ持って行く」(出典:歌舞伎・彩入御伽草(おつま八郎兵衛)(1808)序幕)
  7. 馬の背に人を乗せるためにとりつける櫓。両脇に一つずつ、あるいはさらにもう一つ背につけたりする。
    1. [初出の実例]「けふは枠(ワク)をもてこんわいの。〈略〉白子(しろこ)へ壱里半、かはりやってのっていかんせ」(出典:滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)五)
  8. 堤防の水除け施設。木造の枠の中に石を詰めて造る。
    1. [初出の実例]「大川の〆切等笈牛にて難保ものは、都て枠を用る」(出典:地方凡例録(1794)九)
  9. コンクリートを流しこんで型をつくる箱形の板。
  10. 印刷物で、印刷された部分を囲む線。
  11. 眼鏡で、レンズ以外の部分。レンズをはめ込み、耳にかける。フレーム。
    1. [初出の実例]「えい眼鏡ではないワ。鉄の欄(ワク)のついた麁末なもんじゃが」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一四)
  12. 範囲。限界。制限。「予算の枠」「良識の枠」「法律の枠」
    1. [初出の実例]「家」(出典:<出典>自然主義文学における)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【建具】より

…はめ殺しガラス窓,和風住宅における欄間格子などは,一般の壁と異なる壁であり,建具職によって製作されることから,建具の一種と解釈される場合があるが,使用者の意志でその出入りするものに対し開閉できないことから建具とはいいがたい。 建具は通常,可動部分の戸と,それを納める枠とから成り立つ。和風建築における障子,ふすまなどの枠は通常存在しないが,柱,はりなどを枠に兼用したものと解釈される。…

※「枠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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