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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
蠕蠕(ぜんぜん),茹茹(じょじょ)などとも書く。5~6世紀にモンゴル高原に拠ったモンゴル系の遊牧民およびその国家。5世紀初めに社崙(しゃろん)が可汗(カガン)となり(在位402~410),高車(こうしゃ)を破ってモンゴル高原,天山東部を支配し,北魏と対立した。しかし,485~486年に支配下の高車が反乱して,アルタイ山脈西南に独立してから衰え,6世紀の中頃,突厥(とっけつ)に滅ぼされた。西方のアヴァールと同じものだともいわれるが,確実ではない。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
5~6世紀にモンゴル高原で活躍した遊牧民族およびその国家。モンゴル系と考える説が有力。蠕蠕(ぜんぜん)、茹茹(じょじょ)、苪苪(ぜいぜい)などとも写されるが、原語は不明。5世紀初頭に、一族長がモンゴル高原の高車(こうしゃ)、匈奴(きょうど)の遺民などを征服して建国し、ハガン(可汗)という君主号を初めて採用して、十進法に基づく軍事・行政組織を整えた。そののち、タリム盆地をも勢力下に置き、北魏(ほくぎ)と対立してその北辺に侵入する一方、青海方面の吐谷渾(とよくこん)を経て南朝諸国に通じた。しかし、支配下の高車が、反乱を起こし485~486年に西走してジュンガル盆地に独立国を建てたため、柔然は衰え、6世紀の中ごろ、高車の後裔(こうえい)である鉄勒(てつろく)の一部族、突厥(とっけつ)に滅ぼされた。西方史料に現れるアバールと同じものといわれるが、確実ではない。
[護 雅夫]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…モンゴル系の遊牧騎馬民族で,人種的にはフン族と近縁関係にある。中国の史料に現れる柔然と同一民族であるとの説もあるが,確実でない。確実なのは東部中央アジア(東トルキスタン)にいたとき,エフタル人などとともに一時柔然の支配下にあったことで,北魏の太武帝が柔然を打ち破った(426)のち,その支配から独立したものと思われる。…
…その後,匈奴は南北に分裂,そのうち南匈奴は漢に服属し,やがて中国北部へ農耕民として入っていった。彼らのあと,この地には東胡の子孫である鮮卑が入るが,彼らは中国に北魏王朝を樹立,こんどはトルコ系の柔然がこの地一帯を支配した。しかし,6世紀中ごろアルタイ地方から勢力をのばしてきた突厥(とつくつ)がこれを滅ぼし,隋・唐をおびやかすに至った。…
…なかでも拓跋氏(たくばつし)はその本拠地を内モンゴルからしだいに長城内にうつし,のちに北魏を建て,中国北部を支配した。4世紀後半南下した鮮卑のあとをうけてモンゴリアを支配したのは柔然(じゆうぜん)である。柔然はさらにジュンガリアからタリム盆地にまで勢力を広げた。…
※「柔然」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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