河上神社(読み)かわかみじんじゃ

精選版 日本国語大辞典 「河上神社」の意味・読み・例文・類語

かわかみ‐じんじゃかはかみ‥【河上神社】

  1. 兵庫県津名郡五色町鮎原(あいはら)南谷にある神社。旧県社。祭神は河上大神、菅原大神(菅原道真)。鮎原天神。

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日本歴史地名大系 「河上神社」の解説

河上神社
かわかみじんじや

[現在地名]大和町大字川上

現在与止日女よどひめ神社が正式名称。淀姫神社とも書く。川上かわかみ扇状地扇頂に位置し、川上川の右岸にある。祭神は与止日女命。旧県社。

肥前風土記」の佐嘉郡に、地名起源の話に続いて

<資料は省略されています>

とある。この世田姫が「延喜式」神名帳にある与止日女神社と同一神と考えられている。同神名帳には肥前国四座の一つとして松浦まつら郡の「田嶋坐神社」、基肄郡の「荒穂神社」と並んで記されている(以上三社現佐賀県内)

「三代実録」貞観二年(八六〇)二月八日条に「田島神」「荒穂天神」と並んで「予等比大神」が従五位下の神階を与えられたのがみえる。当時は田島たじま神社(現東松浦郡呼子町)格式が高かったが、遣唐使の廃止などで同神社の海上交通の守護神としての重要性が弱まると、国衙に近い河上神社が肥前一の宮としての地位を得るようになった。

河上神社文書の嘉応二年(一一七〇)の留守所の下文に「当社者是為当国第一之鎮守」とあり、同じく正応五年(一二九二)の関東御教書には「肥前国一宮河上神宮」と明記されている。


河上神社
かわかみじんじや

[現在地名]大根占町城元

宮脇みやわきの鹿児島湾・開聞かいもん岳を一望する景勝の地に鎮座する。祭神は鵜草葺不合尊・神武天皇など五柱。ほかに相殿の祭神二柱や境内社五柱などを祀る。旧郷社。明治一二年(一八七九)の火災によって記録類をことごとく焼失したため創建については不明だが、社名は「和名抄」にみえる古代の肝属郡川上かわかみ郷にちなむともいわれる。暦応二年(一三三九)一一月一〇日の沙弥道勝外三名連署契約状写(禰寝文書)に「当院惣鎮守河上大明神」とみえるように、中世禰寝ねじめ北俣きたまたの総社とされていた。天正一二年(一五八四)一二月に建部重堅・重虎が再建したとの棟札があった(「三国名勝図会」など)。伝承の域を出ないが、現福岡県黒木くろぎ町にある黒木文書のなかに治承年間(一一七七―八一)隅州禰寝の領主黒木助能が当社を再興したとの記録がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「河上神社」の意味・わかりやすい解説

河上神社 (かわかみじんじゃ)

佐賀県佐賀市川上の川上川右岸に鎮座。旧県社。祭神は与止比女(よどひめ)神。佐賀平野の重要な水源をなす川上川が洪積山地から沖積平野に出る位置にあり,本来はこの地方の農業神であろう。国府に近く,古来国司崇敬が厚く,《延喜式》では国幣小社とされ,平安後期には肥前一宮となり,その造営は一国平均役によってなされることになった。1076年(承保3)国司橘俊清の任中,仁王般若講免田3町が寄進されたのをはじめ,代々の国司や在庁官人による講経免田や修理免田の寄進が相次ぎ,鎌倉中期には約300町に達した。しかし大部分が佐嘉郡内に散在する小規模免田ないしは浮免田(うきめんでん)であって,一円荘を形成するにはいたらず,その収取も国衙機構に依存していた。室町期には千葉氏や竜造寺氏尊崇を受け,江戸時代鍋島氏は社領200石を安堵した。江戸時代のはじめには,千栗八幡宮との間に60年におよぶ一宮相論を展開した。
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百科事典マイペディア 「河上神社」の意味・わかりやすい解説

河上神社【かわかみじんじゃ】

佐賀県佐賀市に鎮座。現社号は与止日女(よどひめ)神社。旧県社。祭神は与止日女命(よどひめのみこと)。延喜式内の与止日女神社の比定社。肥前国一宮。中世には神宮寺実相(じっそう)院が社務管理権限を持っていた。実相院が伝来してきた平安・鎌倉期を含む河上神社文書240通は重要文化財

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世界大百科事典(旧版)内の河上神社の言及

【大和[町]】より

…山麓を九州横断自動車道が通り,佐賀大和インターチェンジがある。川上川の渓谷は景勝川上峡として知られ,河畔にある河上神社(淀姫神社)は式内社与止日女(よどひめ)神社に比定され,肥前国一宮として崇敬された。その西にある実相院は,中世には河上神社の社務をつかさどった。…

※「河上神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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