法起寺(ほっきじ)(読み)ほっきじ

日本大百科全書(ニッポニカ)「法起寺(ほっきじ)」の解説

法起寺(ほっきじ)
ほっきじ

奈良県生駒(いこま)郡斑鳩(いかるが)町岡本にある寺。岡本山と号し、法相(ほっそう)宗系の聖徳(しょうとく)宗に属する。本尊は十一面観音(かんのん)。岡本寺、岡本尼寺、池後(いけじり)寺ともいう。岡本宮(おかもとのみや)の旧跡。622年(推古天皇30)2月聖徳太子薨去(こうきょ)に際し、聖徳太子が『法華経(ほけきょう)』を講じた岡本宮を山背大兄王(やましろのおおえのおう)が寺に改めて、大和(やまと)国(奈良県)や近江(おうみ)国(滋賀県)の田地を施入したことに始まる。638年(舒明天皇10)福亮は金堂と本尊弥勒(みろく)仏像を造立し、684年(天武天皇13)恵施は三重塔を建造し、706年(慶雲3)3月には露盤銘を刻んで、法隆寺型結構が整った。ただ本堂と塔の配置は法隆寺と逆である。白鳳(はくほう)時代のこの三重塔は法隆寺五重塔よりもさらに洗練された技法をもつ優雅な建築で、国宝に指定されている。寺は鎌倉・室町時代に衰微したが、1678年(延宝6)真政律師が学舎を修復するなど、近世に至って徐々に整備された。寺宝に虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)と称する金銅菩薩像(飛鳥(あすか)時代、国重要文化財、奈良国立博物館に委託)がある。

[里道徳雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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