由緒書(読み)ユイショガキ

世界大百科事典 第2版の解説

物事の由来,とくに家,職人職能などの起源,由来,系譜などを記したもの。とりわけ家の来歴や系譜,親族などを記した書類は重要で,由緒,履歴,家系,系譜などさまざまな呼称共通の場合もある。皇室公家武家庶民とあらゆる階層で,自己の家系や履歴,親族関係を記録して備忘に供したり,官職に就くなど人事上の手続に際して作成・提出されて証拠とされた。江戸時代以降広く行われ,とりわけ武家では君臣関係を示す根拠として全家臣のそれを集めたものが,由緒書もしくは類似書名を付して保存された。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 物事の由来、または家の来歴や系譜・親類を書き上げた書類。由来書。
※説経節・笠寺観音之本地(1691か)初「由緒書ひとへにまんそくせり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内の由緒書の言及

【偽文書】より

…その多くは,中世の〈職人〉の特権を保証した天皇・将軍等の発給文書を下敷きにし,戦国末期から江戸初期の〈職人〉の実態に即しつつ,その慣習・伝説をもりこみ,鋳物師の真継家,木地屋の大岩家のような〈職人〉集団を統轄する立場にある人によって作成された。しかもこうした偽文書は鋳物師の偽蔵人所牒に〈天皇御璽〉がおされたように幕府・公家に公認され,それと結びついた由緒書とともに,江戸時代の〈職人〉組織を支える機能を果たしつづけた。廻船人の法として知られる《廻船式目》もその一事例にほかならない。…

【先祖書】より

…由緒書ともいう。江戸時代,武士が直系の先祖の氏名・経歴などを書き連ねた文書。…

※「由緒書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

出し子

1 だし汁を取るための干した雑魚(ざこ)。煮干し。2 振り込め詐欺などの犯罪に利用された預金口座から現金を引き出す役をいう隠語。→掛け子 →受け子...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android