

(ぜん)+皿(べい)。皿はおそらくもと血に作り、血盟の盤。それに
(唾)してこれをけがし、無効とする行為をいう。血盟に離
し、共同体の盟約から逸脱するもので、〔左伝〕において盗とよばれている者は、みな亡命者であった。魯の僭主的な権力者であった陽虎も、その対立者であった孔子も、亡命中は盗とよばれ、格別の身元保証人がなければ、無籍者であった。〔詩、小雅、巧言〕「君子、盜を信ず」「盜言孔(はなは)だ甘し」などの句によって、そのような政治的亡命者が、その亡命先で種々の政治的活動をしていたことが知られる。〔左伝、襄十年〕に「群不
の徒」という語がみえるが、孔子も一時はその徒であった。〔詩、小雅、十月之交〕に「
沓(そんたふ)」という語があり、誹謗の意。沓は祝
あるいは盟誓の器である曰(えつ)に水を注ぎ、その書をけがし無効とする行為をいう。血盟の盤に唾し、水をそそぐ行為と似ており、字の立意もそれに近い。〔説文〕八下に「厶(私)(ひそ)かに物を利するなり。
に從ふ。
は皿を欲する
なり」とするが、盜は皿中のものを欲するようなものではなく、政治的な亡命者であった。〔石鼓文〕に
(すい)に従う形に作る。
、佻thy
、偸thoは声義近く、佻は佻梁(ちようりよう)、偸(とう)は他にものを輸(いた)すこと、盗と合わせて偸盗(ちゆうとう)という。
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盗・鼠盗・賊盗・大盗・偸盗・剽盗・老盗出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
[名](スル)二つ以上のものが並び立つこと。「立候補者が―する」「―政権」[類語]両立・併存・同居・共存・並立・鼎立ていりつ...