(読み)トウ

デジタル大辞泉 「盗」の意味・読み・例文・類語

とう【盗〔盜〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]トウタウ)(漢) [訓]ぬすむ とる
他人の物をかすめて自分の物とする。ぬすむ。ぬすびと。「盗賊盗難盗品盗癖盗用怪盗群盗強盗窃盗せっとう偸盗ちゅうとう
盗塁」の略。「重盗
難読盗汗ねあせ

とう〔タウ〕【盗】

野球で、盗塁の略。「三」「重

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精選版 日本国語大辞典 「盗」の意味・読み・例文・類語

とうタウ【盗】

  1. 〘 名詞 〙 ぬすむこと。また、ぬすみをする人。ぬすびと。〔文明本節用集(室町中)〕 〔論語‐顔淵〕

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普及版 字通 「盗」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

(旧字)盜
人名用漢字 12画

[字音] トウ(タウ)
[字訓] ぬすむ・とる

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
旧字は盜に作り、(ぜん)+皿(べい)。皿はおそらくもと血に作り、血盟の盤。それに(唾)してこれをけがし、無効とする行為をいう。血盟に離し、共同体の盟約から逸脱するもので、〔左伝〕において盗とよばれている者は、みな亡命者であった。魯の僭主的な権力者であった陽虎も、その対立者であった孔子も、亡命中は盗とよばれ、格別の身元保証人がなければ、無籍者であった。〔詩、小雅、巧言〕「君子、盜を信ず」「盜言孔(はなは)だ甘し」などの句によって、そのような政治的亡命者が、その亡命先で種々の政治的活動をしていたことが知られる。〔左伝、襄十年〕に「群不の徒」という語がみえるが、孔子も一時はその徒であった。〔詩、小雅、十月之交〕に「沓(そんたふ)」という語があり、誹謗の意。沓は祝あるいは盟誓の器である曰(えつ)に水を注ぎ、その書をけがし無効とする行為をいう。血盟の盤に唾し、水をそそぐ行為と似ており、字の立意もそれに近い。〔説文〕八下に「厶(私)(ひそ)かに物を利するなり。に從ふ。は皿を欲するなり」とするが、盜は皿中のものを欲するようなものではなく、政治的な亡命者であった。〔石鼓文〕に(すい)に従う形に作る。

[訓義]
1. ぬすむ、ひそかにとる、約に反してとる。
2. 人の財をとる、ぬすびと。
3. ひそかに、にげる。

[古辞書の訓]
名義抄〕盜 ヌスミ・ヌスミヌ・カカフ・ヒソカニ/盜人 ヌスビト/竊盜 ミソカヌスビト

[語系]
盜d、佻thy、偸thoは声義近く、佻は佻梁(ちようりよう)、偸(とう)は他にものを輸(いた)すこと、盗と合わせて偸盗(ちゆうとう)という。

[熟語]
盗案・盗位・盗盗夥盗拐盗械盗魁・盗害・盗汗盗渠盗劫盗掘・盗窟・盗穴・盗犬・盗言盗寇・盗私・盗取盗儒・盗心盗人盗窃・盗泉盗贓・盗賊・盗鋳・盗聴・盗発盗伐・盗犯・盗匪・盗剽・盗物・盗兵・盗・盗没・盗摩・盗名・盗乱・盗掠・盗弄
[下接語]
姦盗・凶盗・劫盗・狗盗・群盗・寇盗・強盗・残盗・視盗・書盗・小盗・鈔盗・侵盗・窃盗・盗・鼠盗・賊盗・大盗・偸盗・剽盗・老盗

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