硫酸アンモニウム(読み)りゅうさんアンモニウム(英語表記)ammonium sulfate

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

硫酸アンモニウム
りゅうさんアンモニウム
ammonium sulfate

化学式 (NH4)2SO4 。硫安ともいわれる代表的な窒素肥料硫酸アンモニアを反応させる中和法によって多量に生産される。また水中でアンモニアに亜硫酸ガスを反応させ,これに酸素または空気を約 20気圧で吹込んで硫安に酸化する亜硫酸法もある。無色透明結晶 (斜方晶系) 。比重 1.77,水に易溶。 280℃以上で分解する。アンモニアミョウバンの製造,寒剤,蛋白質沈殿剤,分析試薬などに用いられるが,最大の用途は速効性窒素肥料である。 (→硫安工業 )  

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百科事典マイペディアの解説

硫酸アンモニウム【りゅうさんアンモニウム】

化学式は(NH42SO4。比重1.77,融点513℃(封管中)。硫安とも。無色の結晶で,水に易溶。空気中で熱すると120℃で分解を始め357℃でアンモニアを放って融解する。代表的な窒素肥料の一つ。速効性であるが,窒素分が吸収されたあとに硫酸イオンが遊離硫酸や硫酸カルシウムとして残り土壌は酸性化するため,現在では尿素のほうが使用量が多い。硫安は原料のアンモニア供給源のちがいにより合成硫安,回収硫安,副生硫安に分けられる。合成硫安は合成アンモニアと硫酸との中和で得られるもので,最も一般的。セッコウや亜硫酸ガスを利用して合成されるものもある。回収硫安はナイロン原料のカプロラクタム製造の際の廃液などから回収されるもの。副生硫安は製鉄所などでの石炭乾留に際して副生するアンモニアを硫酸に吸収させて得られるもので,生産量は少ない。→硫安工業
→関連項目酸性肥料石灰窒素堆肥窒素肥料

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世界大百科事典 第2版の解説

りゅうさんアンモニウム【硫酸アンモニウム ammonium sulfate】

化学式(NH4)2SO4。天然には,ベスビオ火山およびエトナ火山の昇華物としてマスカグニ石mascagniteが知られている。硫安の名で生産され,窒素質肥料の一種である。 無色斜方晶系の結晶。硫酸カリウム,硫酸ルビジウム,硫酸セシウムと同形。封管中における融点513℃。空気中では120℃から分解を始め,357℃で融解し,アンモニアを放って,硫酸水素塩と硫酸塩の混合物になる。 2(NH4)2SO4―→NH3+NH4HSO4+(NH4)2SO4比重1.769(20℃)。

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大辞林 第三版の解説

りゅうさんアンモニウム【硫酸アンモニウム】

硫酸にアンモニアを吸収させてつくる無色透明の結晶。化学式(NH42SO4 水に溶けやすい。俗に硫安と呼ばれ、窒素肥料として大量に用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

硫酸アンモニウム
りゅうさんあんもにうむ
ammonium sulfate

硫酸のアンモニウム塩。硫安ともいう。窒素肥料としてもっとも重要なものの一つ。工業的には、硫酸にアンモニアを吸収させるなどの方法によって大規模に製造される。実験室的には、アンモニア水に硫酸を加えて中和し、濃縮すれば無色透明の結晶として得られる。空気中で加熱すると120℃から分解し始め、357℃でアンモニアを放って融解し、硫酸水素アンモニウムとの混合物に変わる。
2(NH4)2SO4→NH3+NH4HSO4
+(NH4)2SO4
 水によく溶けるが、エタノール(エチルアルコール)、アセトン、二硫化炭素には溶けない。水溶液は常温ではきわめてわずかしか加水分解しないが、沸点では著しくなり、溶液は酸性を呈する。硫酸溶液から結晶させると硫酸水素アンモニウムが得られる。[鳥居泰男]

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精選版 日本国語大辞典の解説

りゅうさん‐アンモニウム リウサン‥【硫酸アンモニウム】

〘名〙 (アンモニウムはammonium) 硫酸にアンモニアを吸収させてできる化合物。化学式 (NH4)2SO4 無色透明な結晶。水に溶ける。速効性の窒素肥料として用いる。硫安。

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