竜虎(読み)リュウコ

デジタル大辞泉 「竜虎」の意味・読み・例文・類語

りゅう‐こ【竜虎】

竜ととら。転じて、力量優劣をつけがたい二人の英雄豪傑。りょうこ。
[類語]虎狼牛馬犬猿狐狸蛇蝎鶴亀

りょう‐こ【竜虎】

りゅうこ(竜虎)

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改訂新版 世界大百科事典 「竜虎」の意味・わかりやすい解説

竜虎 (りょうこ)

(1)能の曲名五番目物観世信光作。前ジテは唐土の老人。後ジテは虎。日本の僧(ワキ)が仏法東漸の跡を訪ねて唐土に渡ると,ある山で薪を背負った老人(前ジテ)と若者(ツレ)に出会う。僧が遠くに見える異様な竹林に目をつけて老人に尋ねると,あそこは虎の住みかで,向こうの高山から雲がかかると竜が下りてきて,竜虎の戦いが始まるのだと言う。老人はさらに,竜と虎が位の高い畜類であることを説明して,里に帰って行く(〈クセ〉)。僧が竹林に近づき,老人に教えられたように岩陰に隠れていると,竜(ツレ)が黒雲から下りてきて挑みかかる。やがて虎(後ジテ)が岩洞から現れ,竜と激しく戦うのだった(〈ノリ地・打合イ働(はたらき)〉)。たとえに引かれる〈竜虎の争い〉を舞台化した,見た目本位の能。クセ中心の夢幻能の典型的構成をとるが,前ジテは化身体(けしんたい)ではない。
執筆者:(2)歌舞伎舞踊歌舞伎舞踊は〈りゅうこ〉という。義太夫。本名題《竜虎の聯(れん)》。作詞大野恵造。作曲野沢松之輔。振付坂東三津之丞。1953年9月大阪歌舞伎座で初演配役は8世坂東三津五郎の竜,3世実川延若の虎。能の《竜虎》によっており扮装も能風である。稲妻雷鳴暴風などに音響照明を駆使し,戦後の代表的な作品といえる。なお,杵屋きねや)正邦作曲の新邦楽によるものもあり,1952年東京歌舞伎座で初演された。
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竜虎 (りゅうこ)

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普及版 字通 「竜虎」の読み・字形・画数・意味

【竜虎】りようこ・りゆうこ

竜と虎。英傑にたとえる。〔易、乾、文言伝〕雲はに從ひ、風は虎に從ふ。人作(おこ)りて、物覩(あら)はる。~各其のに從ふなり。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「竜虎」の解説

竜虎
(通称)
りゅうこ

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
竜虎隊慶応日記
初演
明治30.5(東京・市村座)

竜虎
〔長唄〕
りゅうこ

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
明治37.4(東京・東京座)

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