デジタル大辞泉
「端島」の意味・読み・例文・類語
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端島
はしま
高島の南西二・五キロにある無人島。高島とともに炭鉱の島として知られる。江戸時代には幕府領の彼杵郡高浜村(現野母崎町)に属したとされる。正保国絵図に「はしの島」とみえ、元禄国絵図では端島と記される。宝暦一〇年(一七六〇)下二子島・中島や「端島」(「初島」とも)の三ヵ島の領有をめぐって肥前佐賀藩深堀領蚊焼村(現三和町)と幕府領の野母村・高浜村(現野母崎町)とが相論となり(「佐嘉領より到来之細書答覚」長崎市立博物館蔵)、安永二年(一七七三)に一応の解決をみているが、初島は佐賀領内では端島と称しているという(同年「境界取掟書」長崎図書館蔵)。
端島
はしま
[現在地名]岩国市大字柱島 端島
柱島一二島のうち本島の北西一キロにあり、周囲四・五キロの島。
本島に次ぐ大きさであるが、享保一一年(一七二六)の調べでは人口八二人、田一町歩、畑九町歩の小島であった(享保増補村記)。この島は江戸時代初期、吉川家の家臣安宅又右衛門が開発したが、遠方で維持困難のため上地、明暦四年(一六五八)初めて蔵入地として高八〇石余が登記された。
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端島
はしま
長崎県南部,長崎半島の西方に浮かぶ無人島。通称軍艦島。長崎市に属する。周囲 1.2km。面積 0.06km2。かつては長崎炭田(西彼杵炭田)に属する海底炭田(→高島炭鉱)の島で,採炭従事者とその家族用の高層鉄筋アパートが林立し,島全体が海に浮かぶ軍艦に見えたことから軍艦島と呼ばれるようになった。明治3(1870)年から採炭が始まり,1890年頃から三菱鉱業(→三菱鉱業セメント)が経営。良質の原料炭を産出したが,鉱脈が海底 1000mに達して採炭条件が悪化し,また 1960年代のエネルギー革命のあおりを受けて 1974年に閉山。人口も最盛期には 5000以上を数えたが,閉山後まもなく無人島となった。見学通路の設置など整備が行なわれたのち,2009年4月から島内の一部に上陸して観光できるようになった。端島炭坑は 2014年国の史跡に指定され,2015年「明治日本の産業革命遺産:製鉄・製鋼,造船,石炭産業」として世界遺産の文化遺産に登録された。
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端島 (はしま)
長崎県南西部,長崎半島の西方約5kmの沖に浮かぶ小島。面積0.1km2。長崎市に属する。炭鉱の島で,1887年に一つの岩礁を半人工島として,ここに坑口を設け,海底炭層から立坑で採炭が始められた。90年には三菱の経営となり,高島の二子鉱とともに高島炭鉱とよばれ,以来原料炭を産出してきた。島の周囲は高いコンクリートの壁で固められ,その中に炭鉱の生産設備と高層住宅,学校などがすべてあり,遠望すると軍艦に似ているところから軍艦島ともよばれた。最盛期には年産約25万tの石炭を産出し,1965年の人口は5058人を数えた。しかしエネルギー革命に伴う石炭の斜陽化によって74年閉山し,住民はすべて島を去った。
執筆者:竹内 清文
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端島〔長崎県〕
長崎県長崎市、高島南端から南西に約2.5kmの五島灘に浮かぶ無人島。古くから石炭採掘が行なわれており、明治期に本格化。大正期には炭鉱労働者のため日本初の鉄筋コンクリート製集合住宅が建設される。高層建築物が立ち並ぶ姿が軍艦に似ていたことから「軍艦島」の愛称がつく。炭鉱最盛期には5000人以上の島民を数えたが、1970年代の閉山に伴い無人島化。島内は長く立ち入り禁止となっていたが、2000年代より一部区域に限り観光客の立ち入りが許可されるようになる。2015年には「明治日本の産業革命遺産」の一部として、ユネスコの世界遺産に登録された。
端島〔山口県〕
山口県岩国市、岩国港の南東約23キロメートルの安芸灘に浮かぶ柱島群島の島。「はしま」と読む。柱島の北西に位置し、面積は約0.67平方キロメートル。島東部に端島神社がある。
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端島【はしま】
長崎県高島町(現・長崎市)に属する島。面積0.1km2。高島炭鉱端島坑の炭鉱の島で,海面下約1000mで採炭,良質炭を産した。周囲はコンクリートで囲まれ,高層アパートが林立,その外観から軍艦島の名がある。1974年閉山,無住。
→関連項目高島炭鉱
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端島
はしま
長崎県長崎半島西方の海上に浮かぶ島。「軍艦島」ともよばれる。長崎市に属する。
[編集部]
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知恵蔵
「端島」の解説
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世界大百科事典(旧版)内の端島の言及
【炭鉱集落】より
…歌志内や山田は,市制都市とはいえ,炭鉱閉山で人口が1万人台にまで減少した。長崎港外の端島(はしま)は,軍艦島の名で知られた炭鉱の島であったが,74年1月の閉山で無人のゴースト・タウンと化した。存続してきた北炭夕張の夕張新鉱や三井三池の有明鉱なども,80年代に入り,坑内火災の大事故がみられ,炭住街を揺るがした。…
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