日本大百科全書(ニッポニカ) 「竹島(鹿児島県)」の意味・わかりやすい解説
竹島(鹿児島県)
たけしま
鹿児島県薩摩(さつま)半島の南端にある開聞(かいもん)岳から南方約38キロメートルの海上に位置する小島。鹿児島郡三島村(みしまむら)に属す。周囲12.8キロメートル、面積約4.20平方キロメートル、最高点は約220メートル。火山島で、硫黄(いおう)島、黒島とともに鬼界カルデラ(きかいかるでら)の外輪部をなす。周囲はほとんどの部分で100メートル近い断崖(だんがい)で囲まれる。地質は輝石安山岩と溶結凝灰岩が主体である。島全体がリュウキュウチクとよばれる竹で覆われているため、この名がある。この竹は過去の焼畑農業の跡の二次植生といわれている。そのほかにタブ、ガジュマル、アコウ、ハマヒサカキなどの亜熱帯植生もみられる。耕地は狭く、港湾設備も不十分で、農漁業など産業活動は振るわない。村役場は鹿児島市内にあり、村営「みしま丸」が往復する。人口70(2009)。
[塚田公彦]