素甘(読み)スアマ

デジタル大辞泉 「素甘」の意味・読み・例文・類語

す‐あま【素甘】

蒸した上糝粉じょうしんこ砂糖をまぜてついたもち棒状にのばし、すだれで巻いて筋目をつけ、適当の大きさに切った和菓子紅白に染めて祝事にも用いる。かつては州浜形にし、「すはま」とよんだが、のちに「すわま」「すあま」に転じた。
[類語]餅菓子菓子大福大福餅草餅栃餅柏餅桜餅道明寺葛切り葛餅葛桜わらび鶯餅求肥ぎゅうひ求肥飴ぎゅうひあめ柚餅子ゆべし

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精選版 日本国語大辞典 「素甘」の意味・読み・例文・類語

す‐あま【素甘】

  1. 〘 名詞 〙 蒸した上糝粉に砂糖を混ぜてついて作った餠状の和菓子。
    1. [初出の実例]「冬のころ金地院へ行けるにくゎしにみつかんとかんとかきとすあまとあめを出しこれにうたよめとあり」(出典:狂歌・卜養狂歌集(1681頃)冬)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「素甘」の意味・わかりやすい解説

素甘
すあま

寿甘とも書く。餅(もち)菓子の一種。本来は洲浜(すはま)で、素甘はその音便がなまったもの。江戸末期に関東ではやった餅菓子。ほのかに甘いだけの餅菓子という意味で素甘とよばれてきた。上新粉をよくふるい、砂糖を加え、水でこねて蒸したうえ、搗(つ)き上げる。固くなりにくい餅として重宝された。形を鶴(つる)の卵風にして紅白にしたものが祝儀菓子(式菓子)に用いられてきた。寿甘の文字をあてたのはこれによる。また表面を食紅で染め、竹すだれで巻いて棹物(さおもの)にしたものは、小口から切って、大福餅などとともに餅菓子屋に並べられた庶民的な菓子の一つである。

 このほか、表面を青粉で染め、竹すだれの節目をつけた木賊(とくさ)素甘、紅白の餅を重ねて巻いた木目(もくめ)素甘などもつくられたが、これは今日ではあまりみられない。また表面を紅で染めた素甘を、半分に割った青竹5本で縛ったものは、切り口が梅の花形になり、紅梅餅といわれた。これには洲浜型の応用がみられ、やはり祝い菓子に用いられた。

[沢 史生

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「素甘」の解説

すあま【素甘】

和菓子の一種。糝粉(しんこ)を水でこねて蒸し、砂糖を加えて搗(つ)いたもの。巻きすで巻いて、外側にぎざぎざの筋をつけて棒状に形をととのえ、切り分ける。砂糖を初めから糝粉に混ぜる作り方もある。薄紅色または白のものが多い。平たい卵形に紅白対で作ったものを「鶴の子餅(もち)」といい、祝い事に用いる。◇「寿甘」と書くこともある。また、菓子の「州浜」をいうこともある。⇒州浜

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「素甘」の意味・わかりやすい解説

素甘
すあま

寿甘とも書く。餅菓子の一種。上新粉に薄い甘味をつけ,蒸して十分つき,型押ししたもの。白と薄紅色に染め付け,祝儀などに利用される。

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