デジタル大辞泉
「州浜」の意味・読み・例文・類語
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すはま【州浜】
和菓子の一種。大豆をいって粉にひき、砂糖・水あめなどを加えて練り、割り竹を用いて「州浜(台)」をかたどった棹物の菓子。1657(明暦3)年の創業以来の製法を伝える京都・丸太町通の和菓子店「植村義次」のものが知られる。また、こんにちではこの形のもののほか、そら豆の形のもの、わらびの形のもの、赤・黄・緑のだんごを串に刺したものが京都などで作られる。◇鎌倉時代の弘安年間(1278~1288)に京都にあった菓子店「松寿軒」が考案したものとされる。「州浜」は浜辺の入り組んだところをいい、これを意匠化した文様、家紋、またこの形を模し、婚礼や饗宴の飾り物として松竹梅や鶴亀、蓬莱山の情景などを飾るのに用いた島台も「州浜」という。
出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報
州浜【すはま】
祝儀の飾物の一種。州(しま)の海辺のさまを表していて州浜台,島台(しまだい)とも。島をかたどった台の上に松竹梅,鶴亀,尉(じょう)と姥(うば)などを配し,おのころ島や蓬莱(ほうらい)山に見立てたもの。中国で立春に用いる春盤を模したものといわれ,古くは肴(さかな)などを盛って正月の祝儀にも用いたが,現在はもっぱら結婚式に使われる。 この形を模した和菓子も州浜といい,きな粉を水あめで練って固めてつくる。また関東では【しん】粉(しんこ)に砂糖を加えて蒸してついた素甘(すあま)という菓子があり,これもはじめは州浜形に作られた。
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すはま【州浜】
祝儀の飾物,および和菓子の名。飾物の州浜は州浜台の略で,島台とも呼ぶ。出入りのある浜辺をかたどった台で,これに松竹梅,鶴亀,尉(じよう)と姥(うば)などの作り物を配して,婚礼,正月その他祝儀の席に飾った。進献する品物を載せることもあった。その形はつとに図案化されて紋所になり,また衣服や調度の文様としても用いられた。 菓子の州浜はこの形に作られたための名である。きな粉を水あめで練って固めたもので,豆あめともいい,室町後期から文献に名が見える。
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