ろう‐にゃく ラウ‥【老若】
※金比羅宮文書‐天元三年(980)二月二日・某寺資財帳「御弟子中、不求
老若、以吏袴堪者可為長吏也者、仍撰定附属忠印大法師既畢」
※談義本・風流志道軒伝(1763)五「参(まゐり)の老若(ラウニャク)立つどひ」
[語誌](1)平安・鎌倉両時代には主として古記録などに用いられた和製
漢語であるが、奈良時代の文献にすでに見える漢語出自の「
老少」の方が多用されている。
(2)その形成には、日本語の「若」字に本来の漢語にはない、わかいの意が生じていたことが背景として考えられる。
ろう‐じゃく ラウ‥【老若】
※閑
耳目(1908)〈
渋川玄耳〉有趣さうな勤行「太皷の
拍子に連れて、
一家の老若
(ラウジャク)肩を揺
(ゆす)って」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ろうにゃく【老若】
《日葡辞書》に〈老人と若者と〉とある。〈老若男女〉〈貴賤老若〉というように,本来はすべての人を意味する語句であるが,江戸時代の共同体社会では,おとな(老人)と若衆とを指し,二つの年齢集団を意味する用語である。若衆は15歳前後から老人になる以前の若者集団,老人は老人成(官途成)の儀礼を通過したものをいう。老人と若衆とは共同体社会での発言権に格差がつけられている場合がある。若衆から老人成を経る場合,名まえを変更する場合が多く,老人は〈兵衛〉〈衛門〉〈太夫〉などの官途名で呼ばれる。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報