デジタル大辞泉
「老」の意味・読み・例文・類語
ろう〔ラウ〕【老】
[名]
1 年をとっていること。また、その人。老人。「老先生」
「―を負い幼を扶けて火を避くる者」〈樗牛・滝口入道〉
2 律令制で、61歳から65歳(のち、60歳から64歳)までの者の称。
3 老人が自分のことをへりくだっていう語。
「稚き女子の矢武におはするぞ、―が物見たる中のあはれなりし」〈読・雨月・浅茅が宿〉
[接尾]自分より年長の人の名に付けて軽い敬意を表す。「山本老」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ろうラウ【老】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙
- ① 年寄ること。年とっていること。また、その人。年寄り。老人。
- [初出の実例]「凡行路巷術。〈略〉賤避レ貴。少避レ老。軽避レ重」(出典:令義解(718)儀制)
- 「生・老・病・死の移り来る事、またこれに過ぎたり」(出典:徒然草(1331頃)一五五)
- [その他の文献]〔論語‐季氏〕
- ② 令制で、年齢による区分の一つ。戸令では六一歳から六五歳までをいったが、天平宝字二年(七五八)の勅で、六〇歳から六四歳までに年齢が引き下げられた。男は次丁といって、調・庸は半減される。
- [初出の実例]「凡男女三歳以下為レ黄。十六以下為レ少。廿以下為レ中。其男廿一為レ丁。六十一為レ老。六十六為レ耆」(出典:令義解(718)戸)
- ③ 老人が自分をさして、卑下の気持を含んでいう語。
- [初出の実例]「老臆見を以て点をくだすなり」(出典:玉塵抄(1563)一六)
- [ 2 ] 〘 造語要素 〙 名詞の上に添えて「年をとっている」「経験を積んでいる」などの意を表わす。
- [初出の実例]「聞暁風吹二老大夫一、冷冷恰似レ砕二珊瑚一」(出典:菅家文草(900頃)四・老松風)
- [ 3 ] 〘 接尾語 〙 主に手紙、あるいは会話の相手である自分より年長の人の名前に付けて、軽い尊敬の気持を表わす。かならずしも老人に対してだけ用いるものではなく、もとは主に僧侶に対して用いられ、後には一般にも用いられた。
- [初出の実例]「Quisairǒ(キサイラウ)、Irmãorǒ(イルマンラウ)」(出典:ロドリゲス日本大文典(1604‐08))
- [その他の文献]〔朱熹‐跋米元章帖〕
おい【老】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 動詞「おいる(老)」の連用形の名詞化 ) 年老いること。年寄ること。また、その人。ろう。老年。老人。
- [初出の実例]「おほかたは月をもめでじこれぞこのつもれば人のおいとなるもの〈在原業平〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑上・八七九)
- [ 2 ] 〘 造語要素 〙 名詞の上に付いて、「年をとった」の意を表わす。「おいむしゃ(老武者)」「おいほうし(老法師)」など。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「老」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の老の言及
【江戸幕府】より
…徳川幕府ともいう。 1598年8月の豊臣秀吉の死後にその政権の運営を託された五大老の筆頭であった家康は,1600年9月の関ヶ原の戦の勝者となって実質的に天下人の位置につき,秀吉の創出した全国支配の体制(これを[幕藩体制]という)を受け継いだ。そして源氏の一族新田氏の後裔という系図を創作して朝廷から将軍に任ぜられ,名分の上でも全国を統治する権限を獲得した。…
【中老】より
…集団の成員のうち,その運営に発言権をもつ年寄(老(おとな),大人)と若い者の中間に位置し,年寄に次ぐ発言力をもった成員。中年寄。…
【江戸幕府】より
…徳川幕府ともいう。 1598年8月の豊臣秀吉の死後にその政権の運営を託された五大老の筆頭であった家康は,1600年9月の関ヶ原の戦の勝者となって実質的に天下人の位置につき,秀吉の創出した全国支配の体制(これを[幕藩体制]という)を受け継いだ。そして源氏の一族新田氏の後裔という系図を創作して朝廷から将軍に任ぜられ,名分の上でも全国を統治する権限を獲得した。…
※「老」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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