肥える(読み)コエル

デジタル大辞泉 「肥える」の意味・読み・例文・類語

こ・える【肥える】

[動ア下一][文]こ・ゆ[ヤ下二]
人や動物のからだによく肉がついて、太る。からだつきがふっくらとする。「丸々と―・えた子犬」「―・えて脂ののった秋鯖」⇔やせる
地味が豊かになる。「―・えた土地」⇔やせる
経験を重ねて、物事のよい悪いなどを感じ分ける力が豊かになる。「口が―・えている」「目が―・える」
資産などが増えて大きくなる。「特需景気で―・えた企業」
[類語]太る肥満でぶでぶっちょ小太り太りじし太っちょ横太り中年太り水太り酒太り脂肪太り固太り着太り鮟鱇あんこでっぷりぶくぶくぶよぶよ丸丸ころころぽってりぽっちゃりぽちゃぽちゃふっくらふくよか豊満グラマー恰幅かっぷくむっちりむちむち福福しいふくらかもちもち丸ぽちゃぼってりでぶでぶずんぐりずんぐりむっくり布袋ほてい太鼓腹寸胴ずんどう太め三段腹段腹ビヤ樽

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精選版 日本国語大辞典 「肥える」の意味・読み・例文・類語

こ・える【肥】

  1. 〘 自動詞 ア行下一(ヤ下一) 〙
    [ 文語形 ]こ・ゆ 〘 自動詞 ヤ行下二段活用 〙
  2. 体の肉が増す。肉付きがよくなる。ふとる。
    1. [初出の実例]「戯奴(わけ)が為吾が手もすまに春の野に抜ける茅花(つばな)そ食(め)して肥(こえ)ませ」(出典万葉集(8C後)八・一四六〇)
    2. 「まろにうつくしくこえたりし人の、少し細やぎたるに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)宿木)
  3. 地味が豊かになる。土地の生産力が高くなる。
    1. [初出の実例]「今汝膏腴(コエ)たる雌雉(きじ)田を奉進るべし」(出典:日本書紀(720)安閑元年七月(寛文版訓))
  4. 植物がよく生育する。
    1. [初出の実例]「みそ部屋のにほひに肥る三葉哉〈夕可〉」(出典:俳諧・続猿蓑(1698)春)
  5. ( 「目、舌、耳などがこえる」の形で ) 多くの経験を積み、感じ方や理解力などが豊かになる。
    1. [初出の実例]「落語(おはなし)も年々に上品(ぢゃうび)て参り、お客さまのお耳が漸々(だんだん)発達(コヘ)て入らっしゃいました上に」(出典:落語・恵方詣(1890)〈三代目三遊亭円遊〉)

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