雷電(読み)らいでん

精選版 日本国語大辞典 「雷電」の意味・読み・例文・類語

らい‐でん【雷電】

[1] 〘名〙
① かみなりといなずま。また、雷が鳴り、いなずまが光ること。
経国集(827)二〇・紀真象対策文「挙秋毫者不多力、聴雷電者不聰耳」 〔易経‐噬卦〕
② 旧日本海軍の迎撃戦闘機の機種名。局地防空用として開発された。単発単座。最大時速五八六キロメートル、航続距離一八二〇キロメートル。
[2] 謡曲。五番目物。観世宝生金剛・喜多流。作者不詳。「太平記」による。菅丞相の霊が比叡山延暦寺座主の法性坊(ほっしょうぼう)を訪れ、生前の師恩を感謝した後、自ら雷となって宮廷人に報復する意志を明かし、僧正祈祷のために参内しないよう願う。僧正が応じきれないというと、丞相の霊は怒って仏壇柘榴(ざくろ)をかみくだいて妻戸にはきかけ火炎を起こすが、僧正の洒水(しゃすい)の印によって消し止められ姿を消す。やがて僧正が参内すると雷電が現われて四方を鳴り回るが、僧正の法力に力尽き、また帝から天満大自在天神の贈位を受け、黒雲にのって空に上がっていく。「妻戸」(金剛流)ともいい、また後半を改作したものに「来殿」(宝生流)がある。

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デジタル大辞泉 「雷電」の意味・読み・例文・類語

らい‐でん【雷電】

かみなりいなびかり雷鳴電光
旧日本海軍の単発単座の迎撃戦闘機。局地防空用として開発された。
[類語]いかずち鳴る神らい雷鳴天雷急雷疾雷しつらい迅雷じんらい霹靂へきれき雷公遠雷春雷界雷熱雷落雷稲妻いなずま稲光いなびかり電光紫電しでん

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普及版 字通 「雷電」の読み・字形・画数・意味

【雷電】らいでん

雷鳴して光る。〔書、金〕秋大いに熟し、未だ(か)らず。天大いに雷電して風ふき、禾(くわ)盡(ことごと)く偃(たふ)れ、大木斯(ことごと)く拔け、人大いにる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「雷電」の意味・わかりやすい解説

雷電
らいでん

日本海軍の局地戦闘機三菱重工業が開発し 1942年に初飛行したが,その後の開発に手間どり,実用になったのは 1944年であった。速度と上昇力に重点をおいた唯一の局地戦闘機として,ボーイングB-29爆撃機の迎撃に使われた。しかしエンジンの不調と視界の不良により,性能評価は分かれた。タービン過給機や与圧座席の導入も試みられたが,実用にはならなかった。エンジンは火星 (1820馬力) 1,乗員1,全長 9.7m,総重量 3440kg,最大速度時速 610km,航続距離約 1900km,6000mまでの上昇力6分 14秒,上昇限度1万 1700m。武装は 20mm機関砲4,爆弾搭載量 60~120kg。生産数は,戦争終了までに約 500機。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「雷電」の意味・わかりやすい解説

雷電
らいでん

雷は雷鳴を、電は電光をさす。したがって雷電とは音と光を伴った雷放電現象、すなわち雷雲内の、あるいは雷雲と大地の間の放電現象である。しかしながら雷はその一字で電光と雷鳴をあわせてさすとするのが普通であるので、その解釈によれば雷と雷電とは同義語である。

[三崎方郎]

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デジタル大辞泉プラス 「雷電」の解説

雷電〔キャラクター〕

日本のテレビアニメ『ガサラキ』(1998-1999)に登場する人型歩行兵器、タクティカルアーマー。頭頂高4.4メートル、重量2.5トン。操縦者は豪和(ごうわ)憂四郎ほか。豪和インスツルメンタルが開発。素早い移動が可能。

雷電〔戦闘機〕

第2次世界大戦末期に日本軍が用いた局地戦闘機。正称「三菱J2M雷電」。初飛行は1942年。二一型の最高速度は時速587キロメートル。連合軍によるコードネームは「ジャック」。

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世界大百科事典(旧版)内の雷電の言及

【雷電為右衛門】より

…当時の横綱は上覧相撲を機に免許される土俵入り資格であって,番付の最高位は大関であった。雷電は横綱免許の機会はなく,明治以後の講談《寛政力士伝》では,土俵上で相手を投げ殺したため,横綱になれなかったという俗説が語られている。強いばかりでなく13年間の巡業日記を残し,東部町の実家に現存している。…

※「雷電」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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