(読み)クン

デジタル大辞泉 「薫」の意味・読み・例文・類語

くん【薫】[漢字項目]

常用漢字] [音]クン(呉)(漢) [訓]かおる
よい香りが立ちこめる。よい香りをくゆらせる。かおり。「薫煙薫香薫風余薫
(「」と通用)燃やして煙を立てる。いぶす。「薫製
徳で人を感化する。「薫育薫染薫陶
[名のり]かお・くる・しげ・ただ・つとむ・にお・のぶ・ひで・ふさ・ほう・まさ・ゆき
難読薫物たきもの

くん【薫】

よいにおい。かおり。また、よいかおりのする草木

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精選版 日本国語大辞典 「薫」の意味・読み・例文・類語

くん【薫】

  1. 〘 名詞 〙 香草

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普及版 字通 「薫」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 16画

(旧字)
18画

(異体字)燻
18画

[字音] クン
[字訓] かおり・くゆらす

[説文解字]

[字形] 形声
旧字はに作り、熏(くん)声。熏は東((ふくろ))の中のものを火で燻らせる形。〔説文〕一下に「香艸なり」とあり、香気の高い草をいう。〔左伝、僖四年〕「一(いう)、十年にしてり」のように、香臭の強いものである。それに薫染することから、薫化・薫陶のように、徳化の意に用いる。また熏・燻と通じて用いる。

[訓義]
1. 香草、かおりぐさ。
2. かおり、におう。
3. 熏と通じ、くゆらす、くすぶる。

[古辞書の訓]
名義抄〕熏 カホル・サカリナリ・フスブ・タキモノ 〔字鏡集〕 タキモノス・フスブ・カホル・ニホフ・クユル・カウバシ・ヒノサクナル・ヒケ・シケ・タタ・ヒク・ユル・シム・タタス語彙は熏字条参照。

[熟語]
薫粥薫鬻・薫育薫烟・薫火薫戒薫赫薫嚇・薫薫・薫薫鑿薫子薫炙・薫・薫修薫胥薫蒸・薫心・薫辛薫隧薫燧・薫染薫然・薫草・薫天・薫陶・薫鼻・薫風・薫服薫沐・薫・薫炉薫鑪・薫籠・薫陸
[下接語]
衣薫・嘉薫・含薫・好薫・香薫・紫薫・麝薫・臭薫・染薫・草薫・南薫・濃薫・風薫・芳薫・薫・余薫・蘭薫

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「薫」の解説

かおる

源氏物語」の「宇治十帖」の主人公
光源氏の正妻の女三宮と頭中将(とうのちゅうじょう)の長男柏木との不義の子。道心をいだいて,俗聖(ぞくひじり)の宇治八宮のもとに出入りするうちに,宮の娘の大君に恋するようになるが,大君はこばんだまま死去。大君によくにた異腹の妹の浮舟を愛人とするが,匂宮にうばわれる。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【源氏物語】より

…初老の源氏は兄朱雀院に頼まれてその皇女女三宮(おんなさんのみや)と結婚する。未熟な宮はやがて青年柏木と密通し,薫(かおる)を生む。夫の裏切りに傷ついた紫上も傷心の末病死する。…

※「薫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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