デジタル大辞泉 「藤」の意味・読み・例文・類語
とう【藤】[漢字項目]
〈トウ〉
1 植物の名。フジ。「藤花」
2 つる性植物の総称。「藤本/葛藤」
3 藤原氏のこと。「
〈ふじ〉「藤色・藤棚/白藤・夏藤」
[名のり]かつら・つ・ひさ
[ 一 ]①は「万葉集」では、浦や山野に花を咲かせる姿がとりあげられ、ホトトギスとともによまれることが少なくない。平安時代になると、屏風絵の題材・歌合の歌題とされ、なかでも松に咲きかかる姿が多くうたわれた。「源氏物語」ではそれが晩春から初夏にかけて貴族の庭園にみられる光景として描かれる。「枕草子‐八八」も「めでたきもの」として、色深い藤の花房が松に咲きかかる姿を挙げる。藤原氏にゆかりのあるフジと、常緑樹であり、千年の寿命を保つという松のとりあわせとして好まれたものか。また、フジの花は、紫の雲とも見立てられ、鎌倉時代になると阿彌陀如来の来迎を暗示する紫雲(往生雲)の意が重ねられていく。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
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