虚空蔵山
こくぞうさん
現四賀村会田・中川と、本城村乱橋の境にあり、標高一一三六メートル。山頂に近く西に立峠・花川原峠があり東に風越峠がある。
古代から中世初めにかけて虚空蔵信仰による霊山となり、虚空蔵菩薩が山腹に祀られ、鷲ヶ峰ともよばれ、会田宿の長安寺がその別当を兼ねていた。鎌倉初期小県郡の海野氏の一族がこの地方を領して会田氏を称し、居館を会田の殿村に置き、この山の中腹に中ノ陣、秋吉の砦、現城の砦などを配し、山頂には物見の砦を設けた。山上からは遠く安曇平・木曾口・麻績盆地の諸城砦がみられる。
「東筑摩郡村誌」会田村の項に、「虚空蔵山城地、本村ヨリ寅ノ方中腹ニ平ラカナル丘アリ、城峰ト唱フ、古城ノ跡アリ、今存スルトコロ面積二百坪斗リアリ、ソノ外、旗塚・柵跡此ノ山中所々ニアリ、「信府統記」ニ曰高築地ノ城ト号ス、本城東西二町、南北二十五間トアリ、往昔海野幸継ノ末孫、会田小次郎広政居城セリ」とある。
虚空蔵山
こくぞうさん
[現在地名]荒尾市四ッ山町
旧大島村の北にあり通称「こくんぞさん」とよぶ。別に大嶋山・四山ともいう。四山は笹原山(約五六メートル)を最高峰とする星穂山・割山・二頭山の四峰の総称。虚空蔵山の由来は、「国誌」に「頂ニ虚空蔵菩薩降臨ノ跡アリテ今ハ二、三間南ニ堂アリ」と記すように、明治以前における虚空蔵信仰による。南麓に縄文期の貝塚があり御領式土器を出土した。
虚空蔵山
こくぞうざん
嬉野町大字不動山と長崎県東彼杵郡東彼杵・川棚両町との境にある標高六〇八メートルの山。阿蘇火山脈に属し、山地の大部分は輝石安山岩。太古は活火山であったが、活動終息後風化や水磨の作用で堅い岩石のみ残り、険しい山容となった。西南方はとくに断崖が屏風のようになっている。頂上の中央部に石の祠堂があって虚空蔵菩薩を祀る。旱魃になると登って雨乞いをするが、祠堂の壁に味噌を塗りつけてお願いすると、神様はのどが渇いて必ず雨を降らせるという。
虚空蔵山
こくぞうさん
上田盆地北側の太郎山と並んでその西側に立つ標高一〇七六メートルの山。山頂より南は上塩尻村、北は南条村(現埴科郡坂城町)に下る。山上には虚空蔵山城跡がある。この名は山麓に虚空蔵尊を安置する堂があるためである。本郭は東西二〇間・南北一〇間である。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
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