① マルスダレガイ科の二枚貝。北海道南部以南に分布し、潮間帯から水深一〇メートルの砂泥底にすみ、地方により養殖もされている。殻はほぼ三角形で、殻長約八センチメートル。表面はなめらかで、色彩は変化に富むが灰色の地に褐色または紫色の放射彩や斑紋(はんもん)のあるものが多い。内面は白色。肉は美味で、吸物・焼き蛤などとし、殻は胡粉(ごふん)や上等の人形の材料にされる。和名は「浜栗(はまぐり)」の意という。近縁種に、殻が碁の白石の最上の材料となるチョウセンハマグリがある。《 季語・春 》 〔二十巻本和名抄(934頃)〕