普及版 字通 「衰(漢字)」の読み・字形・画数・意味
衰
常用漢字 10画
(旧字)
10画
[字訓] もふく・おとろえる
[説文解字]
[字形] 会意
正字は衣+(ぜん)。は呪飾。死者の襟もとに麻の呪飾を加えて祓う。〔説文〕八上に「艸雨衣なり。秦には之れを(ひ)と謂ふ。衣に從ひ、象形」と(みの)の意とするが、は死葬のとき、衣に著ける呪飾で、は(さい)の初文。糸(べき)部十三上にを喪服とする。葬送のときには礼を減衰(げんさい)するので、また減少・衰微の意となる。
[訓義]
1. もふく、喪章。
2. おとろえる、喪に服してよわる、やせる。
3. そぐ、礼をそぐ。
4. よわまる、勢いがなくなる、かすかになる、やぶれる、しりぞく。
5. としとる、からだがおとろえる。
6. 差(し)と通じ、次第に、うつる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 オトロフ 〔字鏡〕 ノゾク・シナジナ・サス・ヤブル・オトロフ・タカシ 〔字鏡集〕 サス・ヲツ・ユサメ・オトロフ・フタツコロモ
[声系]
〔説文〕に声として榱・など三字を収める。は〔詩、小雅、無羊〕に「を何(にな)ひ笠を何ふ」とみえるが、古い字書には未収の字である。
[語系]
・shiuaiは同声、もと同じ語であった。は麻の衰(さいてつ)、は喪服につける長さ六寸、博さ四寸の布。の初形からいえば、死者の襟もとにつける呪飾。のち葬送・服喪に用いるものとなった。卒・tziutも同系の語で、卒は卒衣、死者の襟もとをかき合わせて結ぶ形。魂の脱出を防ぐ意であろう。瘁・悴dziutはその心情をいう語。差tsheaiも声近く、次第に減らす意に通用する。
[熟語]
衰衣▶・衰▶・衰冠▶・衰裳▶・衰杖▶・衰飾▶・衰衽▶・衰▶・衰▶・衰服▶・衰麻▶・衰序▶・衰征▶・衰政▶・衰漸▶・衰悪▶・衰運▶・衰栄▶・衰翁▶・衰骸▶・衰顔▶・衰気▶・衰旧▶・衰朽▶・衰▶・衰歇▶・衰▶・衰減▶・衰枯▶・衰槁▶・衰興▶・衰耗▶・衰困▶・衰妻▶・衰殺▶・衰▶・衰削▶・衰颯▶・衰残▶・衰疾▶・衰謝▶・衰弱▶・衰叔▶・衰衰▶・衰世▶・衰勢▶・衰賤▶・衰▶・衰沮▶・衰草▶・衰▶・衰息▶・衰損▶・衰▶・衰退▶・衰替▶・衰▶・衰遅▶・衰年▶・衰廃▶・衰憊▶・衰白▶・衰薄▶・衰髪▶・衰晩▶・衰微▶・衰鬢▶・衰病▶・衰弊▶・衰変▶・衰暮▶・衰▶・衰亡▶・衰乏▶・衰耄▶・衰貌▶・衰滅▶・衰門▶・衰野▶・衰容▶・衰庸▶・衰乱▶・衰陵▶・衰▶・衰齢▶・衰陋▶・衰老▶
[下接語]
顔衰・起衰・減衰・斬衰・衰・助衰・承衰・斉衰・盛衰・中衰・等衰・扶衰・風衰・変衰・門衰・養衰・老衰
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報