豊中(市)(読み)とよなか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「豊中(市)」の意味・わかりやすい解説

豊中(市)
とよなか

大阪府北西部、兵庫県に東接する市。大阪市の衛星都市の一つ。1936年(昭和11)豊中町を中心に、麻田(あさだ)、桜井谷(さくらいだに)、熊野田(くまのだ)の3村が合併して市制施行。1947年(昭和22)南豊島(みなみてしま)、中豊島、小曽根(おぞね)の3村、1955年庄内(しょうない)町を編入。2001年(平成13)特例市に、2012年中核市に移行。地名は、1889年(明治22)の町村制施行の際、旧豊島郡の中心ということで豊中村が成立したことによる。市域を南北方向に阪急電鉄宝塚本線、北大阪急行電鉄、大阪モノレール本線、国道176号、423号、479号が走る。また名神高速道路、中国自動車道が通じ、それぞれ豊中インターチェンジがある。兵庫県伊丹(いたみ)市との境には大阪国際空港があり、その東を阪神高速道路池田線が走る。市域の北部、東部千里丘陵(せんりきゅうりょう)と豊中段丘、南部、西部は神崎(かんざき)川と猪名(いな)川の沖積低地である。近世までは能勢(のせ)街道に沿う寒村であったが、明治末に箕面有馬(みのおありま)鉄道(現、阪急電鉄)が通じてから段丘部の住宅化が進み、大正、昭和になって旧制の浪速(なにわ)高校・大阪薬学専門学校(現、大阪大学)、梅花女子専門学校(現、梅花女子大学。茨木市)などや病院の進出をみた。第二次世界大戦後、東部の丘陵部に高層住宅団地が建設され、千里ニュータウンの一部を形成した。千里丘陵の一部には大阪大学の理・法・経・文・基礎工学部などが立地する。神崎川沿いの庄内地区には中小規模の工場が多い。また、庄内には大阪音楽大学があり、付属施設として音楽メディアセンターやザ・カレッジ・オペラハウスが設置されている。東部には府立公園の服部緑地(はっとりりょくち)があり、スポーツ施設、日本民家集落博物館などが設けられている。桜塚古墳群は国指定史跡。原田神社本殿は国の重要文化財。面積36.39平方キロメートル(境界は一部未定)、人口40万1558(2020)。

[樋口節夫]

『『豊中市史』全8冊(1959~1963・豊中市)』『『新修豊中市史』全11巻(1998~2005・豊中市)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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