本山寺(読み)ホンザンジ

デジタル大辞泉 「本山寺」の意味・読み・例文・類語

ほんざん‐じ【本山寺】

岡山県久米郡美咲町にある天台宗の寺。山号は、岩間山。大宝元年(701)役行者えんのぎょうじゃ修行の地に頼観が開創と伝える。江戸時代には美作みまさかの天台宗触れ頭寺院。通称、岩間観音

もとやま‐じ【本山寺】

香川県三豊みとよ市にある高野山真言宗の寺。山号は七宝山四国八十八箇所第70番札所。大同2年(807)空海の創建と伝える。本堂は国宝。

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精選版 日本国語大辞典 「本山寺」の意味・読み・例文・類語

もとやま‐じ【本山寺】

  1. 香川県三豊郡豊中町にある高野山真言宗の寺。山号は七宝山。院号は持宝院。大同二年(八〇七平城天皇の勅により空海が開創した長福寺に始まると伝えられる。享保年間(一七一六‐三六)現在名に改称。本堂は鎌倉時代の造立で国宝。四国八十八か所の第七〇番札所。

ほんざん‐じ【本山寺】

  1. 岡山県久米郡美咲町にある天台宗の寺。山号は岩間山。役小角(えんのおづの)の草創で鑑真(がんじん)再興と伝えられる。稲岡荘の漆間時国夫妻が当寺に祈願して法然(源空)が生まれたという話で名高い。岩間観音。

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日本歴史地名大系 「本山寺」の解説

本山寺
ほんざんじ

[現在地名]高槻市原

はら盆地の北東約三キロ、神峰かぶ山の標高六四〇メートルの高地に位置、南に神峰山寺がある。ホトトギスの名所として知られ、本堂裏手を登りつめると京都市西京区との境にあるポンポン山の頂にでる。天台宗、北山霊雲院と号し、本尊毘沙門天。寺伝によると、役行者が葛城山で修行中、当地に五色の彩雲がたなびくのをみて自刻の毘沙門天を安置した。宝亀五年(七七四)開成皇子が役行者の徳を慕い堂舎を建立、大般若経を一字一石書写し納めたという。次いで大治年中(一一二六―三一)山麓茅原ちはら庄の橘輔元が堂宇を修復した。天文年中(一五三二―五五)には松永善右衛門が立身出世を祈願、戦功あって出世して弾正久秀となり、五百住よすみの良田を寄進、本山寺毘沙門天御供田とよばれた。


本山寺
ほんざんじ

[現在地名]柵原町定宗

本山川の上流域、金刀比羅こんぴら(四七九・六メートル)の北側中腹にある天台宗寺院。岩間山と号し、本尊は聖観音・十一面観音。本山寺略縁起(当寺蔵)によれば、当地は役小角の練行の地で、大宝元年(七〇一)地元の猟師佐伯有頼が山内に鷹狩に来て、鷹が異光を発し宝剣に化するのを見て観世音を感得し、伽藍を建立した。これを新山寺と称し、有頼は出家、頼観と号したという。のち天平宝字(七五七―七六五)の頃、鑑真によって再興され、岩間山本山寺と号した。それより四〇〇年後に来米師実が猟をしているときに鷹が鳩に変ずるのを見て聖観音・十一面観音を感得し、出家して真道と称した。同様に杣人弓削師古も両尊を感得し、出家して古道と称しているが、これらは当寺の復興にかかわった者であろうか。


本山寺
もとやまじ

[現在地名]豊中町本山甲

財田さいた川・みや川の合流点の北にある。高野山真言宗、七宝山持宝院と号する。本尊は馬頭観音。四国霊場八十八ヵ所第七〇番札所で、御詠歌は「本山に誰が植えける花なれや春こそ手折れ手向にぞなる」。七宝山本山寺縁起によると大同二年(八〇七)空海が一夜にして建立したと伝える。もとは長福ちようふく寺と号し、七堂伽藍が整備され二〇余の塔頭と末寺を有していたという。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「本山寺」の意味・わかりやすい解説

本山寺(岡山県)
ほんざんじ

岡山県久米(くめ)郡美咲(みさき)町定宗(さだむね)にある天台宗の寺院。山号は岩間山(いわまさん)。本尊は聖観音菩薩(しょうかんのんぼさつ)。701年(大宝1)に頼観(らいかん)が、役行者(えんのぎょうじゃ)の修行地と伝えるこの地に一寺を建立して新山寺(しんざんじ)と称した。その後、鑑真(がんじん)が本山寺と改めたという。平安時代になって荒廃したが、1110年(天永1)に復興された。中世を通じて美作(みまさか)地方の天台宗の根拠地の一つとなった。江戸時代には、津山藩主森氏より400石の寺領を与えられ、藩内天台宗触頭(ふれがしら)となり、藩主の祈祷(きとう)所でもあった。寺宝は数多い。本堂(国重要文化財)は県下最古の本堂建築とされ、南北朝時代の建立。三重塔(国重文)、仁王(におう)門、長屋、常行堂(以上、県重文)、花崗(かこう)岩製舎利塔(康永(こうえい)3年銘、国重要美術品)、花崗岩製宝篋印(ほうきょういん)塔(建武(けんむ)2年銘、国重文)など、古建築、什宝(じゅうほう)類が残されている。

[水谷 類]


本山寺(香川県)
もとやまじ

香川県三豊(みとよ)市にある寺。高野山真言(こうやさんしんごん)宗の準別格本山。山号は七宝(しっぽう)山。本尊は馬頭観世音菩薩(ぼさつ)。四国八十八所第70番札所。807年(大同2)平城(へいぜい)天皇の勅願により弘法(こうぼう)大師空海が鎮護国家のため創立。開基当時は七宝山持宝院(じほういん)長福寺と号していたが、天保(てんぽう)年間(1830~44)に本山寺と改称。中世以前は24の塔頭(たっちゅう)、2000石の寺領をもち、四国随一の巨刹(きょさつ)として隆盛を極めた。本堂(国宝)は1300年(正安2)に建てられたもので、1952年(昭和27)鎌倉様式建築に復原された。同じく鎌倉様式の仁王門(八脚門)は国重要文化財である。ほかに阿弥陀(あみだ)堂、大師堂、十王堂、赤堂、五重塔が建つ。

[野村全宏]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「本山寺」の意味・わかりやすい解説

本山寺
もとやまじ

香川県三豊市にある高野山真言宗の寺。四国八十八ヵ所第 70番札所。もと長福寺と称した。大同2 (807) 年空海の開基と伝えられ,現存する本堂は正安2 (1300) 年に再建されたことが礎石から知られる。典型的な中世密教本堂で,国宝に指定されている。また,二王門は国の重要文化財。

本山寺
ほんざんじ

岡山県中部,美咲町柵原にある天台宗の寺。号は岩間山。通称は岩間観音。大宝1 (701) 年の創建。鑑真和上の再興と伝えられる。長承1 (1132) 年漆間時国 (うるまときくに) 夫妻が祈願して法然上人を授かった話は有名。本堂は正平5=観応1 (1350) 年の建立で,境内は広く,江戸時代には子坊が 48あったと伝えられる。

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デジタル大辞泉プラス 「本山寺」の解説

本山寺

香川県三豊市にある寺院。「もとやまじ」と読む。高野山真言宗。山号は七宝山、院号は持宝院。本尊は馬頭観音。807年、空海の創建と伝わる。四国八十八ヶ所霊場第70番札所。1300年建立の本堂は国宝に指定。

本山寺

岡山県久米郡美咲町にある寺院。山号は岩間山。701年創建。本尊は観世音菩薩。本堂、三重塔などは国の重要文化財に指定されている。

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事典・日本の観光資源 「本山寺」の解説

本山寺(第70番)

(香川県三豊市)
四国八十八箇所」指定の観光名所。

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世界大百科事典(旧版)内の本山寺の言及

【豊中[町]】より

…町の中央部を予讃線,高松自動車道,国道11号線が縦貫する。四国八十八ヵ所70番札所の本山寺があり,本堂(国宝)と八脚門(重要文化財)は鎌倉時代の建築である。【赤池 享一】。…

※「本山寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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