轟く(読み)トドロク

デジタル大辞泉 「轟く」の意味・読み・例文・類語

とどろ・く【×轟く】

[動カ五(四)]
音が響きわたる。鳴り響く。「礼砲が―・く」
世間に広く知れわたる。有名になる。「天下英名が―・く」
期待興奮などで胸がどきどきする。鼓動がはげしくなる。「再会を前に胸が―・く」
[類語]響く鳴る鳴り響く鳴り渡る通る伝わる高鳴るどよむどよめくうな響き渡る聞こえるとどろとどろき響き轟轟ごうごう轟然ごうぜん轟音ごうおん爆音

とど‐め・く【×轟く】

[動カ四]《「どどめく」とも》
音がひびきわたる。とどろく。
「いかづちの鳴り―・くをり」〈塵袋
がやがや騒ぎたてる。
「人の音多くして、―・き来る音す」〈宇治拾遺・一〉

ほ‐め・く【×轟く】

[動カ四]とどろく。ざわざわ音をたてる。〈新撰字鏡

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「轟く」の意味・読み・例文・類語

とどろ・く【轟】

  1. 〘 自動詞 カ行五(四) 〙
  2. 音が荒々しく鳴り響く。力強く響きわたる。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
    1. [初出の実例]「その夜雨風、岩もうごく許降りふぶきて、神さへなりてとどろくに」(出典:更級日記(1059頃))
  3. 転じて、驚く。驚きさわぐ。
    1. [初出の実例]「御唐衣に、あきののをぬひものにし、ゑにもかかれたるにやとぞ、めもとどろきてみたまへし」(出典:大鏡(12C前)五)
  4. 広く世に知れわたる。有名になる。
    1. [初出の実例]「誰か 誰か この事を 親に まうよこし申しし 止々呂介(トトロケ)る この家 この家の 弟嫁 親に まうよこしけらしも」(出典催馬楽(7C後‐8C)葦垣)
  5. 鼓動が激しくなる。動悸がする。ときめく。
    1. [初出の実例]「頻りに叫ぶ声の風(ふ)と耳に入れば、お春はハット胸轟(トドロ)き」(出典:花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉下)

ほ‐め・く【轟】

  1. 〘 自動詞 カ行四段活用 〙 ( 「めく」は接尾語 ) ざわざわとする。さめく。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕

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