響く(読み)ヒビク

デジタル大辞泉 「響く」の意味・読み・例文・類語

ひび・く【響く】

[動カ五(四)]
音・声があたりに広がり伝わる。「大砲の音が―・く」
反射して聞こえる。反響する。「こだまが―・く」
余韻が長く続く。「鐘の音が―・く」
振動が伝わる。「爆発の衝撃がガラス戸に―・く」
世間に広く知られる。「名声が世間に―・く」
心に通じる。また、感覚に訴える。「忠告も彼には―・かない」「胸に―・く一言
他へ影響が及ぶ。「交通ストが通勤に―・く」「無理をするとからだに―・く」
ある意味をもって聞きとれる。「非難がましく―・く」
体形肌着輪郭衣服表面にあらわれる。「体の線が―・く」「アウターに―・かない下着」
[類語](1鳴る鳴り響く鳴り渡る通る伝わるとどろ高鳴るどよむどよめくうな響き渡る聞こえる/(2反響するこだまする/(5伝わる聞き取れる耳に入る耳に付く耳朶じだに触れる耳にする耳に挟む小耳に挟む耳に入れる耳に留まる/(7影響する差し響くはねかえるたた災いする刺激煽り作用反響反映反応反動反作用波紋余波皺寄せとばっちり巻き添えそばづえ手応え歯応え物議を醸すインパクトリアクションレスポンスフィードバック

どよ‐め・く【響く】

[動カ五(四)]
音が鳴りひびく。とどろきひびく。「雷鳴が―・き渡る」
ざわざわと騒ぐ。「新記録場内が―・く」
ゆれうごく。動揺する。「心が―・く」
[類語](1鳴る響く鳴り響く鳴り渡る通る伝わるとどろ高鳴るどよむうな響き渡る聞こえる/(2がやがやわいわいわあわあきゃあきゃあぎゃあぎゃあざわざわざわめくざわつく響く騒ぐはしゃぐぞめわめさざめくさんざめくざわざわする叫ぶ怒鳴る張り上げる喚き散らす喚き立てるがなるがなり立てる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「響く」の意味・読み・例文・類語

ひび・く【響】

  1. 〘 自動詞 カ行五(四) 〙
  2. 大きな、また、高い音・声が広がり伝わる。とどろきわたる。鳴りわたる。
    1. [初出の実例]「大きに梵り響(ヒヒキ)震ふ雷と音とのごとし」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)五)
  3. 音・声が物にぶつかり、はね返ってくる。また、震動が伝わっていく。反響する。こだまする。
    1. [初出の実例]「湾水、響きそそひで夜の夢を洗ふ」(出典:海道記(1223頃)鎌倉遊覧)
    2. 「勧請の句をはたと打上給たりければ、三十三間をひびき廻くり」(出典:延慶本平家(1309‐10)一本)
  4. 音が長く尾を引く。余韻を生ずる。
    1. [初出の実例]「夜深きあしたの鐘の音かすかにひびく」(出典:源氏物語(1001‐14頃)総角)
  5. 世に広く聞こえわたる。評判が高くなる。
    1. [初出の実例]「よからぬ、世の騒ぎに、かるがるしき御名さへひびきて、やみにしよ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  6. 大騒ぎする。騒ぎたてる。
    1. [初出の実例]「一京ひびきつづきて、いとききにくきまでののしりて」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
  7. 心に感ずる。また、感覚に訴える。ある意味や感情がききとれる。
    1. [初出の実例]「結ぶより早歯にひひく泉かな〈芭蕉〉」(出典:俳諧・都曲(1690)上)
    2. 「自分達には変に響(ヒビ)く言葉を使って」(出典:行人(1912‐13)〈夏目漱石友達)
  8. 関係が及ぶ。他へ影響する。
    1. [初出の実例]「条約に響候義を、其地にて直に決着可致筋無之候間」(出典:幕末御触書集成‐一〇一・安政三年(1856)八月八日)

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