鈍る(読み)ナマル

デジタル大辞泉 「鈍る」の意味・読み・例文・類語

なま・る【鈍る】

[動ラ五(四)]
刃物切れ味が悪くなる。「包丁が―・る」
鋭さが失われる。勢いが弱まる。にぶる。「からだが―・る」
技量・働きのえがなくなる。にぶる。「腕が―・る」
[類語]不調変調不順低調不振乱調低迷にぶる冴えない伸び悩む上がったりスランプうだつが上がらない弱る弱まる鈍化弱化

にぶ・る【鈍る】

[動ラ五(四)]
鈍くなる。「刃が―・る」「勘が―・る」
力・勢いなどが弱まる。衰える。「動きが―・る」「腕が―・る」
[類語]弱る弱まる不調変調不順低調不振乱調低迷なまる冴えない伸び悩む上がったりスランプうだつが上がらない鈍化弱化

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鈍る」の意味・読み・例文・類語

なま・る【鈍】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 鍛え方が不十分なために、なまくらになる。刃物の切れあじが悪くなる。
    1. [初出の実例]「頓、銕のなまりたを云ぞ」(出典:史記抄(1477)一二)
    2. 「先頃四頭の馬を殺せしに刃や鈍(ナマ)りたらむ」(出典:二人むく助(1891)〈尾崎紅葉〉六)
  3. わざの冴えがにぶる。技量が落ちる。
    1. [初出の実例]「浪人なせど安森が家来の手練(てなみ)神影流、鈍(なま)らぬ腕の太刀先を、ならば手柄に受けて見よ」(出典:歌舞伎・三人吉三廓初買(1860)序幕)
  4. 力がにぶる。勢いが弱まる。
    1. [初出の実例]「腕もなまり五体もしびれ」(出典:浄瑠璃・本朝二十四孝(1766)四)
  5. 決心がにぶる。貫徹しようとする意志が弱まる。
    1. [初出の実例]「拙者が心はなまらねど左言ふ貴殿の御胸中まことに以て心許なし」(出典:歌舞伎・早苗鳥伊達聞書(実録先代萩)(1876)二幕)

にぶ・る【鈍】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. にぶくなる。するどさがなくなる。
    1. [初出の実例]「鋭(といさき)(ニフリ)力竭(つ)きて抜くこと能はず」(出典:日本書紀(720)天智即位前(北野本訓))
  3. 力や勢いが弱くなる。衰える。
    1. [初出の実例]「少し疲れて筆が鈍(ニブッ)て来ると」(出典:福翁自伝(1899)〈福沢諭吉緒方塾風)
  4. ぼんやりする。どんよりとする。また、空が曇る。
    1. [初出の実例]「ただ、そんな時の内儀さんは妙に気力のぬけた鈍った表情をしてゐて」(出典:神楽坂(1935)〈矢田津世子〉三)

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