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防衛計画の大綱 ぼうえいけいかくのたいこう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

防衛計画の大綱
ぼうえいけいかくのたいこう

日本の安全保障の基本方針、それに基づく自衛隊の具体的な役割、主要装備の整備目標の水準を示す防衛力の基本指針。国家安全保障会議策定する。[編集部]

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知恵蔵の解説

防衛計画の大綱

防衛の基本的な方向性や防衛力の規模について大枠を示す政府の決議で、まず1976年に決められた。95年11月には冷戦終了という戦略環境の根本的変化に対応する新大綱が決定した。これはソ連という主要な共通の脅威が消滅した後にも「日米安全保障体制の信頼性の向上」を力説し、一方自衛隊の人員、装備を2割程度削減するものだった。さらに政府は2004年12月10日「平成17年度以降に係る防衛計画の大綱」を安全保障会議と閣議で決定した。これは日本に対する本格的侵略の可能性が低下した現実を認識する一方、テロ活動、弾道ミサイルなど「新たな脅威」への対処と「国際協力」の2点を中心とした改定で、特殊部隊による攻撃に対処するため、空挺団、ヘリコプター団などや、国際活動教育隊を一元的に管理する中央即応集団を設ける。海外派遣のための大型輸送機の導入なども決めている。このために陸上自衛隊は常備自衛官を前大綱より3000人増員し14万8000人にするが戦車は900両を600両に砲も900門を600門に、など在来型戦力は削減される。海上自衛隊の護衛艦も約50隻から47隻に、哨戒機も80機から70機へ微減し、航空自衛隊も戦闘機300機から260機へと減らす。米国のミサイル防衛参加要請や海外派遣に応じるため四苦八苦して経費と人員を捻出する形となった。

(田岡俊次 軍事ジャーナリスト / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

防衛計画の大綱

中長期的な防衛力のあり方や規模の基本方針。1976年以来、今回で4回目の策定。2004年12月に閣議決定された現大綱は5年後の見直し条項が設けられ、09年12月に改定される予定だったが、民主党政権は1年先送りした。新大綱の方針を踏まえ、防衛装備品の5年間の整備計画を定めた中期防衛力整備計画(中期防)も策定された。

(2010-12-18 朝日新聞 朝刊 特設A)

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デジタル大辞泉の解説

ぼうえいけいかく‐の‐たいこう〔バウヱイケイクワク‐タイカウ〕【防衛計画の大綱】

防衛大綱

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

防衛計画の大綱
ぼうえいけいかくのたいこう
National Defense Program Guidelines

防衛力の意義や役割,自衛隊の具体的な体制,主要装備の整備目標の水準などを示した,日本の防衛に関する中期的な基本指針。防衛大綱と略称される。国家安全保障会議閣議で決定される。1976年に国防会議と閣議で決定され,国際情勢の変化などをうけて 1994,2004,2010,2013年に改定された。冷戦期の 1976年,アメリカ合衆国とソビエト連邦の対立構造を念頭において策定された「昭和52年度以降に係る防衛計画の大綱」(51大綱)では基盤的防衛力構想が示された。その後,ソ連の崩壊と冷戦の終焉という国際情勢の変化に伴い 1995年に改定された「平成8年度以降に係る防衛計画の大綱」(07大綱)は,従来の防衛に加え,大規模災害への対応や国際平和協力(→平和維持活動 PKO)などを自衛隊の新たな役割とし,陸上自衛隊の自衛官定数を 18万から 14万5000に縮減する方針を示した。2004年の「平成17年度以降に係る防衛計画の大綱」(16大綱)では,テロリズムの激化や,大量破壊兵器弾道ミサイルの拡散などの「新たな脅威」に対処し,国際協力任務にも応じるとされた。2010年民主党政権下に策定された「平成23年度以降に係る防衛計画の大綱」(22大綱)では,従来の基盤的防衛力構想が見直され,中国南西諸島方面への進出や朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の弾道ミサイル,国際テロに機動的に対応する「動的防衛力」の方針が打ち出された。2013年の「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱」(25大綱)は,安倍晋三内閣が国家安全保障戦略に基づいて策定し,複雑化,不安定化している安全保障環境に機動的に対応するため統合運用の考えを徹底した「統合機動防衛力」の理念が示された。防衛大綱に基づき,具体的に 5年間に実施する防衛力整備の計画として中期防衛力整備計画が策定される。(→防衛省

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世界大百科事典内の防衛計画の大綱の言及

【海上自衛隊】より

… なお,この指針は日米両国政府によって見直し作業が行われ,97年9月末に最終報告の形で結論を得て,平素からの,および緊急事態における日米おのおのの役割ならびに相互間の協力および調整のあり方について,一般的な大枠と方向性を示すものとなった。このほか,95年11月に定められた〈平成8年度以降に係る防衛計画の大綱(新大綱)〉では,自衛隊の主たる任務である〈我が国の防衛〉に〈大規模災害等各種事態への対応〉および〈より安定した安全保障環境の構築への貢献〉が加わった。
[編成]
 1997年9月現在,人員約5万人,作戦用艦艇約150隻,作戦用航空機約200機などを保有し,これらの艦艇,航空機は,自衛艦隊,五つの地方隊などに配備されている。…

【自衛隊】より

… 次に,内閣は,国会に提出する法律案や予算案を決定し,防衛にかかわる重要な方針や計画を決定する。内閣にはまた,国防に関する重要事項を審議する機関として安全保障会議が置かれ,防衛計画の大綱,防衛出動の可否等国防に関する重要事項を審議する。
【防衛力整備】
 自衛隊の防衛力整備は,第1次から第4次にわたる防衛力整備計画を経て,1977年度以降1995年度までの間は,防衛のあり方の指針として策定された〈防衛計画の大綱〉(以下,大綱という)に従い,85年度までは中期の防衛力整備の見積りである中期業務見積り(以下,中業という)を参考として,それ以降は中期防衛力整備計画(以下,中期防という)に従って,大綱に定められた防衛力の水準の達成を目標に進められた(表1)。…

【防衛関係費】より

…これに対して日本の防衛関係費の範囲は,一応のコンセンサスがある基幹的な部分だけに狭く局限されている。また1976年に,〈防衛計画の大綱〉とワンセットの形で,国防会議・閣議の決定として,防衛関係費は〈当面,各年度の総経費がGNPの1%を超えないことをめどとする〉こととなった。それが日本の軍事大国化に対する歯止めとして一定の役割を果たしてきた点は否めないが,欧米並みの基準でいけば早くから対GNP比1%の枠を突破していた事実も同時に承知しておかなければなるまい。…

※「防衛計画の大綱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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