豇豆(読み)ササゲ

デジタル大辞泉 「豇豆」の意味・読み・例文・類語

ささげ【豇豆/大豆】

マメ科一年草。葉は3枚の小葉からなる複葉。夏、蝶形淡紫色の花が咲く。さやは細長く、弓なりに曲がる。種子や若い莢は食用中央アフリカ原産。ささぎ。 秋》「―摘む籠を小脇に恵那夕焼/風生
《形が1の莢に似ているところから》歌舞伎衣装で、禿かむろ・姫などの着付きつけ袖口に垂れている5色のひも。
[類語]大豆小豆そら豆落花生レンズ豆ひよこ豆隠元豆莢隠元豌豆莢豌豆グリンピース黒豆鉈豆

ささぎ【豇豆】

ささげ」の音変化。〈日葡

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精選版 日本国語大辞典 「豇豆」の意味・読み・例文・類語

ささげ【豇豆・大角豆】

  1. 〘 名詞 〙
  2. マメ科の一年草。中央アフリカ原産で、日本でも古くから栽培されている。茎はつる性で長くのびるもの、つる状にならないものもある。葉は互生で長柄をもち三小葉からなる。小葉は柄があり卵状菱形で長さ八~一五センチメートル。夏、葉腋(ようえき)に淡紫色の蝶(ちょう)形花を二~三個ずつつける。果実は長さ一五~二〇センチメートルの線形の莢(さや)で上を向いてつく。種子は長さ一センチメートル内外で、白・黒・褐色・赤褐色など品種によって異なる。おびただしい数の栽培品種があり、実用面からは若莢を食用とするもの(サヤササゲ)、種子をとるもの(ミトリササゲまたはハタササゲ)に大別される。また、ジュウロクササゲ、サンジャクササゲなど莢の著しく長くなる一群がある。種子は餡の原料にしたり、強飯(こわめし)にまぜてたいたりする。漢名、豇豆。《 季語・秋 》

▼ささげの花《 季語・夏 》

  1. [初出の実例]「佐々気四升 直銭十六文」(出典:正倉院文書‐写経司解・天平一一年(739)八月一一日)
  2. 「ささけ採籬のそなたや生駒サゲ 山」(出典:俳諧・晉明集(1772‐89頃)二)
  3. ( 形がジュウロクササゲに似ているところからいう ) 振袖を広袖仕立にして、袖丈の肩山から三分の一のところにつけた色無地の細長い布。江戸時代、文化(一八〇四‐一八)以前、京坂地方で盆踊りなどの衣服につけた。また、歌舞伎衣装の禿などの袖口に垂れている五色の紐をいう。
    1. ささげ<b>②</b>〈清長画 雛形若菜の初模様〉
      ささげ〈清長画 雛形若菜の初模様〉
    2. [初出の実例]「をどりゆかたの ささげ」(出典:青物料理の献立(1830‐44))
  4. ( 男を竹にたとえるのに対して ) 女にたとえていう語。
    1. [初出の実例]「思ひ出しては死ぬほど口惜し、ならぬ大角豆(ササゲ)に手をくれて」(出典歌謡鄙廼一曲(1809頃)科埜の国春唄曳臼唄ともに諷ふ)

ささぎ【豇豆】

  1. 〘 名詞 〙 「ささげ(豇豆)」の変化した語。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「甕のつぼにも水を入て〈略〉ささぎやまめ大根などにそそぐぞ」(出典:玉塵抄(1563)一)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「豇豆」の解説

豇豆 (ササゲ・ササギ)

学名Vigna sinensis
植物。マメ科のつる性一年草,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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