出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
歌枕。(1)京都市右京区鳴滝にある鳴滝川(御室川)に沿う地域。平安京の禊の場所であった。双ヶ丘(ならびがおか)の北にあたる。川は岩石の多い急流で,鳴滝の名のもとになる。中世,寺が多かったがおおむね廃絶。近衛家所伝の典籍記録を蔵する陽明文庫がここにある。《蜻蛉日記》の藤原道綱母は鳴滝に参籠(般若寺のことか。現在廃絶)して,〈身ひとつのかくなる滝を尋ぬればさらにかへらぬ水もすみけり〉と詠んでいる。(2)和歌山市園部にある,鳴滝川上流山間の小滝。鳴滝不動尊があり,修験道の行場で役小角(えんのおづぬ)開基という。《新古今和歌集》巻十九〈神祇〉に,〈思ふ事身に余るまでなる滝のしばし淀むを何恨むらむ〉があり,左注に〈この歌は身の沈める事を嘆きてあづまの方へまからむと思ひたちける人熊野の御前に通夜して侍りける夢に見えけるとぞ〉とある。すなわち熊野の神詠である。付近に鳴滝古墳群がある。また,1982年に発掘調査された鳴滝遺跡があり,古墳時代の大規模な掘立柱建物群跡である。
執筆者:奥村 恒哉
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
京都市西郊、右京区の一地区。東は御室(おむろ)、西は嵯峨野(さがの)の間に位置する。中央を鳴滝川ともよばれる御室川が北西より南東に流れ、平安時代は禊(みそぎ)の場所で、多くの貴紳が訪れた。地名はこの渓流の水音によるものと考えられ、歌枕(うたまくら)としても知られた。現在は高級住宅地で、国立病院機構宇多野病院がある。京福電鉄北野線が通じる。
[織田武雄]
出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報
出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
…昭和10年前後(1934‐37ころ)に京都の鳴滝の住人だった映画監督,脚本家のグループの名称。山中貞雄,稲垣浩,滝沢英輔,荒井良平,土肥正幹,三村伸太郎,八尋不二,藤井滋司の8人が〈梶原金八〉というペンネームで新しい自由な映画づくりをめざしてシナリオの合作や共同製作を行った。…
※「鳴滝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
[1973~ ]プロ野球選手。愛知の生まれ。本名、鈴木一朗。平成3年(1991)オリックスに入団。平成6年(1994)、当時のプロ野球新記録となる1シーズン210安打を放ち首位打者となる。平成13年(...
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