デジタル大辞泉
「鳴滝」の意味・読み・例文・類語
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なるたき【鳴滝】
- 京都市右京区の地名。高雄から平岡に連なる山地をも含み、良質の砥石(といし)を産出した。
- [初出の実例]「大地に衣ぬき捨早駕籠にうつして、鳴滝(ナルタキ)の遊山屋敷にしのばせ」(出典:浮世草子・好色二代男(1684)六)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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鳴滝
なるたき
[現在地名]山口市大字下小鯖 鳴滝
棯畑に源を発する鳴滝川は、山間の小流を集めて西流し、泰雲寺の近くで滝をつくる。この滝は三段よりなり、最も下の滝が大きく、高さは約一〇メートル。その水音が高いので鳴滝と名付けられ、現地名にもなっている。
弘治三年(一五五七)二月、毛利氏の兵が佐波山(鯖山)峠を越え鳴滝に進軍、大内義長を山口に攻めたことが江戸中期の国重政恒の「温故私記」にみえる。
近くに鳴滝神社があり、旧号を王子権現と称したが、この社は泰雲寺の鎮守社で、永和元年(一三七五)に大内弘世が堂宇を建立したらしい。
鳴滝
なるたき
歌枕。鳴滝川(御室川)の谷に沿い、平安京の祓の場所の一つであった。「能因歌枕」「和歌初学抄」「八雲御抄」「和歌色葉」に載る。「初学抄」は「オトスルニ、オモフコトナルトモ」と注する。「八雲御抄」が紀伊として「熊野也」と記すのは「新古今集」の次の歌の左注が熊野としているためか。
鳴滝
なるたき
鳴滝川上流、園部北西部の山間にある小滝。修験の行場とされ、不動堂(鳴滝不動尊)がある。「新古今集」巻一九(神祇)に
<資料は省略されています>
との歌があり、左注によると熊野に参籠した人の夢にあらわれた神詠とされる。鳴滝は歌枕で、「八雲御抄」も右の歌を証歌とし、「熊野御歌なり」と注する。「玉勝間」は「紀の国の鳴滝」の項で「名草ノ郡、園部村の奥に在て、いにしへ修験道の一場にして、名高き所也、役ノ小角開基といへり、熊野の神の夢に告給へること、よし有り」と記している。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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鳴滝 (なるたき)
歌枕。(1)京都市右京区鳴滝にある鳴滝川(御室川)に沿う地域。平安京の禊の場所であった。双ヶ丘(ならびがおか)の北にあたる。川は岩石の多い急流で,鳴滝の名のもとになる。中世,寺が多かったがおおむね廃絶。近衛家所伝の典籍記録を蔵する陽明文庫がここにある。《蜻蛉日記》の藤原道綱母は鳴滝に参籠(般若寺のことか。現在廃絶)して,〈身ひとつのかくなる滝を尋ぬればさらにかへらぬ水もすみけり〉と詠んでいる。(2)和歌山市園部にある,鳴滝川上流山間の小滝。鳴滝不動尊があり,修験道の行場で役小角(えんのおづぬ)開基という。《新古今和歌集》巻十九〈神祇〉に,〈思ふ事身に余るまでなる滝のしばし淀むを何恨むらむ〉があり,左注に〈この歌は身の沈める事を嘆きてあづまの方へまからむと思ひたちける人熊野の御前に通夜して侍りける夢に見えけるとぞ〉とある。すなわち熊野の神詠である。付近に鳴滝古墳群がある。また,1982年に発掘調査された鳴滝遺跡があり,古墳時代の大規模な掘立柱建物群跡である。
執筆者:奥村 恒哉
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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鳴滝
なるたき
京都市西郊、右京区の一地区。東は御室(おむろ)、西は嵯峨野(さがの)の間に位置する。中央を鳴滝川ともよばれる御室川が北西より南東に流れ、平安時代は禊(みそぎ)の場所で、多くの貴紳が訪れた。地名はこの渓流の水音によるものと考えられ、歌枕(うたまくら)としても知られた。現在は高級住宅地で、国立病院機構宇多野病院がある。京福電鉄北野線が通じる。
[織田武雄]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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鳴滝
(徳島県徳島市飯谷町大ノ上)
「とくしま市民遺産」指定の地域遺産。
飯谷小学校前のバス停から南の山際に入ったところにある。地元の人たちから「鳴滝さん」と呼ばれている
鳴滝
(岡山県新見市菅生用郷)
「新見癒やしの名勝遺産」指定の地域遺産。
陽明学者・山田方谷が訪れ詩をよんでいる。1912(明治45)年石垣造りの林道が開削された
出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報
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出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の鳴滝の言及
【鳴滝組】より
…昭和10年前後(1934‐37ころ)に京都の鳴滝の住人だった映画監督,脚本家のグループの名称。[山中貞雄],[稲垣浩],滝沢英輔,荒井良平,土肥正幹,三村伸太郎,八尋不二,藤井滋司の8人が〈梶原金八〉というペンネームで新しい自由な映画づくりをめざしてシナリオの合作や共同製作を行った。…
※「鳴滝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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