鹿久居島(読み)カクイジマ

デジタル大辞泉 「鹿久居島」の意味・読み・例文・類語

かくい‐じま〔かクゐ‐〕【鹿久居島】

岡山県南東部、備前市にある日生ひなせ諸島中の一島。県内最大の島で、面積10.1平方キロメートル、周囲28キロメートル。野生シカが多く生息し、かつて岡山藩の狩猟場だった。島の大半が国指定の鳥獣保護区瀬戸内海国立公園に属する。

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日本歴史地名大系 「鹿久居島」の解説

鹿久居島
かくいじま

[現在地名]日生町日生

日生町日生・寒河そうごから「うちわだの瀬戸」を挟んで位置する。県下最大の島で、周囲二八キロ。平地に乏しく山がちである。島内に猪・鹿がおり、とくに鹿が久しくいるとして、それが島名の由来と伝える(吉備温故秘録)。康正元年(一四五五)五月、山名持豊との播磨での戦いに敗れた赤松則尚・有馬小次郎らは備前に落ち、則尚は「カクイ島」で自害したという(「嘉吉記」「応仁記」など)

吉備温故秘録」によると日生村の内で、古くは鹿久居千軒といわれ漁民が居住したと伝えられているが、何時の頃か無人になったという。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鹿久居島」の意味・わかりやすい解説

鹿久居島
かくいしま

岡山県南東部、日生(ひなせ)諸島の一島。備前(びぜん)市に属す。面積10.06平方キロメートルで、岡山県下最大の島。松を中心とする国有林に野生のシカが生息。近世は岡山藩の狩猟場であった。瀬戸内海国立公園に含まれ、島の大半が国の鳥獣保護区となっている。1993年(平成5)島の南部に古代体験の郷「まほろば」が開場した。本土の日生港から定期船が通じ、近くの頭島(かしらじま)とは頭島大橋で結ばれている。人口12(2009)。

[由比浜省吾]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鹿久居島」の意味・わかりやすい解説

鹿久居島
かくいじま

岡山県南東部,片上湾の湾口に散在する日生諸島のうち,最も本土に近くて大きい島。備前市に属する。近世の初めに一時流刑地とされたことがあり,第2次世界大戦後に開拓されるまでは無人島であった。現在も西端部でミカン栽培が行なわれるほかは大部分は自然のままで,国有林として保存され,野生のシカが生息する。モウセンゴケハッチョウトンボなど貴重な自然が残る。千軒湾でハマチフグ養殖が行なわれる。面積 10.1km2。人口 23 (1996) 。

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