降圧剤(読み)コウアツザイ(その他表記)hypotensive agents

デジタル大辞泉 「降圧剤」の意味・読み・例文・類語

こうあつ‐ざい〔カウアツ‐〕【降圧剤】

血圧を下げる薬。降圧薬。血圧降下剤抗高血圧剤

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精選版 日本国語大辞典 「降圧剤」の意味・読み・例文・類語

こうあつ‐ざいカウアツ‥【降圧剤】

  1. 〘 名詞 〙 主に血管を拡張させることによって病的な高血圧を降下させるのに用いる血圧降下剤。〔薬の効用(1964)〕

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病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「降圧剤」の解説

降圧剤(血圧降下剤)

降圧剤とは


 「最高血圧が140mmHg以上、かつ、または、最低血圧が90mmHg以上の状態」が高血圧症です。高血圧症が長年にわたると、動脈硬化を進行させて、脳卒中狭心症心筋梗塞しんきんこうそくといった生命にかかわる病気を誘発する危険が高まります。


 血圧を下げて、高血圧症を改善する薬が降圧剤(血圧降下剤)で、効果が確実で副作用の少ない降圧剤が次々と開発されています。


 降圧剤にはいろいろな種類があって、通常はいくつかの降圧剤を組み合わせて使います(併用療法)。個々の使用量を少なくして副作用の発現を抑え、いくつかの薬を併用することによって、より効果を高めるためです。


 降圧剤には、血圧を上昇させる余分な水と塩分を尿として排泄はいせつさせる降圧利尿剤、血圧を上げるようにはたらく交感神経を抑える交感神経遮断剤αアルファブロッカー製剤レセルピン製剤βベータブロッカー製剤αβブロッカー製剤など)、中枢神経に作用して血圧を上昇させる物質のはたらきを抑えるメチルドパ製剤クロニジン塩酸塩系製剤、血管を拡張させて血圧を下げるヒドララジン塩酸塩系製剤、血圧を上昇させるアンジオテンシンという物質がつくられるのを阻害するアンジオテンシン変換酵素阻害剤、血圧を上昇させるはたらきのあるカルシウム拮抗きっこうする作用をもつカルシウム拮抗剤などがあります。


 1種類の薬だけを使用するよりも、通常はこのうちのいくつかの薬を併用します。


 ニカルジピン塩酸塩製剤は、脳循環代謝改善剤としても使用されています。また、抗精神病剤〔抗不安剤〕や自律神経調整剤、脂質異常症治療剤〔脂質代謝改善剤〕が、降圧剤と併用されることもあります。


交感神経α遮断剤(αブロッカー製剤)


レセルピン製剤(ラウオルフィア製剤)


高血圧治療βブロッカー製剤


経皮型βブロッカー製剤


交感神経αβブロッカー製剤


メチルドパ水和物製剤


クロニジン塩酸塩系製剤


ヒドララジン塩酸塩系製剤


アンジオテンシン変換酵素阻害剤


アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤


アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤/利尿剤配合剤


高血圧症治療カルシウム拮抗剤


アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤/カルシウム拮抗剤併用製剤


カルシウム拮抗剤/HMG‐CoA還元酵素阻害剤併用製剤


アリスキレンフマル酸塩製剤


ミネラルコルチコイド受容体阻害剤

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「降圧剤」の意味・わかりやすい解説

降圧剤
こうあつざい
hypotensive agents

血圧降下剤ともいう。病的な高血圧を下降させ,血管の破裂その他の危険を回避する目的で使われる薬剤。血圧が一時的に異常上昇したときには注射するが,それ以外は内用することが望ましく,本態性高血圧症の場合は規則的に服用して血圧の安定をはかる。血圧は個人差が大きいから,過低状態がかえって2次的な障害を生む場合もあることを考慮して使用する必要がある。降圧剤としては,血管の筋肉に直接作用する血管拡張剤,細胞内へのカルシウムの流入抑制して末梢血管を拡張させるカルシウム拮抗剤,昇圧物質アンジオテンシンの生成を抑えるアンジオテンシン変換酵素 ACE阻害剤,そしてβ遮断剤を代表とする交感神経末梢遮断剤,腎臓に作用してナトリウムイオンの再吸収を抑制する利尿剤などのほか,ストレスを緩和して血圧の変動 (過高) を間接的に調整するトランキライザ類も利用されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「降圧剤」の意味・わかりやすい解説

降圧剤
こうあつざい

血圧降下薬

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栄養・生化学辞典 「降圧剤」の解説

降圧剤

 →血圧降下剤

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