デジタル大辞泉
「強制調停」の意味・読み・例文・類語
きょうせい‐ちょうてい〔キヤウセイテウテイ〕【強制調停】
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きょうせい‐ちょうていキャウセイテウテイ【強制調停】
- 〘 名詞 〙
- ① 民事上の紛争の調停で、当事者に調停にかけることを強制し、また調停の結果に服させること。
- ② 労働争議などの紛争解決のため、当事者の意思にかかわりなく労働委員会が職権で開始する調停。公益事業やその業務の停止が公益に著しい障害を及ぼす事業にのみ認められる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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強制調停
きょうせいちょうてい
労働争議当事者の少なくとも一方、場合によっては双方の意思を問わずに開始される労働委員会の調停。労働争議を予防または解決するため、労働委員会はいわゆる調整的機能として斡旋(あっせん)、調停、仲裁を行う。調停は、労働委員会の委員によって構成される調停委員会が調停案を作成し、労使双方に受諾を求めて争議を解決する方法である。調停案を受諾するかどうかは当事者の任意であり、この点は強制調停の場合も変わらない。調停が任意的であるか強制的であるかの区別は、調停開始の要件による。この点、労働関係調整法では、公益事業および公益に著しい障害を及ぼす事件について、(1)当事者の一方の申請、(2)労働委員会の職権に基づく決議、(3)厚生労働大臣または都道府県知事の調停請求によって、労働委員会は調停を開始する(18条3号~5号)。ほかに、行政執行法人の労働関係に関する法律第27条、地方公営企業労働関係法第14条にも類似の定めがある。
[木下秀雄・吉田美喜夫]
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強制調停
きょうせいちょうてい
(1) 民事,家事紛争の調停で,調停にかけることを当事者に強制したり,あるいは当事者が調停に服することを要求する制度。職権調停,調停前置主義や調停に代る裁判の例がある。 (2) 労働争議の調停において,当時者双方または一方が反対の意思を有しても開始される調停手続。労使紛争の自主的調整の原則に対する例外であるから,法律に規定がある場合にのみ行うことができる。現在,国営企業労働関係法および地方公営企業労働関係法において,職権または法定申請者の申請により調停手続が開始されうるほか,一般私企業に関しても労働関係調整法上,公益事業または公益に著しい阻害を及ぼす事件について強制調停が認められている。ただし調停の性質上,労使ともに調停案を受諾する義務はない。 (3) 国際法上,当事国があらかじめ条約で,一定の紛争を調停によって解決すべきことを約している場合,このような方法による調停をさし,または義務的調停ともいう。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の強制調停の言及
【調停】より
…また,労働大臣らの請求による開始は,事件の規模が大きいか,特別の性質の事業に関する公益に著しい障害を及ぼす事件の場合にも認められる。これらの開始についてのみ強制する方法を強制調停と呼ぶ。申請のあった日から15日以内に調停案は作成され,その受諾勧告には10日以内の期限が付される。…
※「強制調停」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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