(読み)シャ

デジタル大辞泉 「舎」の意味・読み・例文・類語

しゃ【舎】[漢字項目]

[音]シャ(呉)(漢) [訓]おく
学習漢字]5年
家屋。建物。「駅舎官舎厩舎きゅうしゃ校舎宿舎精舎しょうじゃ病舎兵舎茅舎ぼうしゃ寄宿舎
軍隊の一日の行程。「三舎
「寄宿舎」の略。「舎監
自分の身内謙遜けんそんしていう語。「舎兄舎弟
梵語の音写。「舎利
[名のり]いえ・や・やどる
難読田舎いなか舎密セイミ舎人とねり学舎まなびや

しゃ【舎】

古代中国の軍制で、軍隊の1日の行程。30里とした。

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精選版 日本国語大辞典 「舎」の意味・読み・例文・類語

しゃ【舎】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 人の住む家。屋敷。やかた。
    1. [初出の実例]「舎不方丈、酒将数盃」(出典:菅家文草(900頃)一・同舎、小飲)
    2. [その他の文献]〔史記‐董仲舒伝〕
  3. 仮にやどる所。やどり。やど。寓居。〔周礼‐天官・掌舎〕
  4. 日、星のやどり。星宿。星座。〔淮南子‐覧冥訓〕
  5. 中国の昔の軍制で、軍隊の一日の行程。一日三〇里と定めた。また、その行軍の一夜の宿泊をもいう。〔春秋左伝‐荘公三年〕
  6. きしゅくしゃ(寄宿舎)」の略。

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普及版 字通 「舎」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

(旧字)舍
8画

[字音] シャ・セキ
[字訓] すてる・おく・やどる・いえ

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
+口。は把手のある掘鑿(くつさく)刀。これで木や土を除くことを余という。口は祝詞を収める器の(さい)。この器を長い針で突き通すことによって、その祝の機能を失わせることをいう。ゆえに「すてる」が字の原義で、(捨)の初文。それより、ことを中止し、留め滞る意となる。〔説文〕五下に「市居を舍と曰ふ」とし、字形を宿舎の建物の形と(しゆう)(集)に従う会意の字とするが、宿舎の意は後起の義。金文の〔令彝(れいい)〕「三事の命を舍(お)く」、〔小克鼎〕「命をに舍く」のように、命を発する意に用い、また〔鼎(こつてい)〕「矢五束を舍(あた)ふ」のように用いる。

[訓義]
1. すてる、捨の初文。のぞく。
2. おく、外に出す、命を発する、ものを賜う、ほどこす。
3. すておく、とどめる、やどる、おる。
4. やどり、いえ、やしき、へや、役所、建物。
5. いこう、やすむ、おさめる。
6. 赦と通じ、ゆるす。
7. 釈と通じ、とく、はなす、はなれる。

[古辞書の訓]
名義抄〕舍 ヤドル・スム・ヤム・スツ・オク・ハナツ・タユメリ・ユルス・ノゾク・オロス・ヌク 〔字鏡〕舍 トドマル・ヤム・ヤドス・スツ・ユルス・イヘ・トドム・ヤトフ

[部首]
〔説文〕は字を部に属して集居の意とする。〔康熙字典〕以下、字を舌(ぜつ)部に属するが、舌とは何の関係もない。

[声系]
〔説文〕に舍声としてなど三字、余を舍の省声として余(よ)声の字二十一字を収める。余は舍の針の部分だけで、声が異なる。余は與(与)・予と同声の字。

[語系]
舍・sjya、赦・釋(釈)sjyakは声近く、通用することがある。また予・與jiaも声近く、賜与の意に用いることがある。

[熟語]
舎越・舎園・舎屋・舎外・舎館・舎己舎去・舎居・舎業・舎禁・舎兄舎眷・舎止・舎矢・舎次・舎車舎戍・舎宿・舎処・舎身・舎親舎人・舎生・舎息・舎宅・舎中・舎長・舎弟・舎丁舎匿・舎廃・舎発・舎放・舎命・舎菜舎采舎然・舎
[下接語]
駅舎・屋舎・外舎・廓舎・学舎・館舎・起舎・帰舎・客舎・休舎・廏舎・牛舎・居舎・漁舎・寓舎・公舎・校舎・講舎・獄舎・作舎・三舎・山舎・止舎・廝舎・賜舎・次舎・趣舎・宿舎・塾舎・書舎・精舎舎・進舎・趨舎・草舎・村舎・第舎・宅舎・庁舎・邸舎・田舎・伝舎・入舎・避舎・府舎・舎・仏舎・茅舎・民舎・野舎・里舎・旅舎・廬舎

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