国際的な経済学者。東京に生まれる。ハーバード大学で学び、卒業後、同大学の助手、講師を務める。その間、J・A・シュンペーターに学ぶ。太平洋戦争開戦のため1942年(昭和17)に交換船で帰国し、応召後1944年から外務省に勤務。戦後1947年(昭和22)片山哲内閣の経済安定本部副長官となり、日本で初めての『経済白書』(経済実相報告書)の執筆にあたった。1948年東京商科大学(現在の一橋大学)教授となり、1972年から一橋大学学長。1975年退官し、朝日新聞社論説顧問、明治学院大学教授を歴任。1977~1980年には国際経済学会(International Economic Association)会長も務めた。経済体制、公害、都市問題などを、人間復位の立場から分析し、また、経済現象を素材面と体制面とを区別しながら両者の統一を図る政治経済学を提唱した。
[中村達也]
『『都留重人著作集』全13巻(1975~76・講談社)』▽『都留重人編『世界の公害地図』上下(1977・岩波書店)』▽『都留重人著『新しい政治経済秩序を求めて』(1983・朝日選書)』▽『都留重人著、渡辺敏・石川通達訳『日本の資本主義――創造的敗北とその後』(1995・岩波書店)』▽『都留重人著『なぜ今、日米安保か』(1996・岩波書店)』▽『都留重人著『いくつもの岐路を回顧して――都留重人自伝』『21世紀日本への期待――危機的現状からの脱却を』(2001・岩波書店)』▽『都留重人著『科学と社会――科学者の社会的責任』(2004・岩波書店)』▽『都留重人著『経済学はむずかしくない』(講談社現代新書)』▽『都留重人著『地価を考える』(岩波新書)』▽『P・A・サムエルソン著、都留重人訳『経済学』上下(1981・岩波書店)』▽『Shigeto Tsuru:Japan's Capitalism;creative and beyond(1993, Cambridge University Press)』▽『Institutional Economics Revisited(1993, Cambridge University Press)』▽『Economic Theory and Capitalist Society;The Selected Essays of Shigeto Tsuru(1994, Edward Elgar Publishing, Great Britain)』▽『The Economic Development of Modern Japan;The Selected Essays of Shigeto Tsuru(1995, Edward Elgar Publishing, Great Britain)』
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