ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アラム人」の意味・わかりやすい解説
アラム人
アラムじん
Aramaeans
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アモリ人、フェニキア人とともに西セム系に属する遊牧民族。紀元前15世紀のアマルナ時代から始まる民族大移動の波によって、前11世紀ごろから前8世紀ごろまでシリア北部からメソポタミア北部に定着し、ここを根拠として、商業民族として四方に進出した。『旧約聖書』やアッシリアの記録では強力な略奪者とされている。アッシリアのティグラト・ピレセル1世の前11世紀の碑文で、アラム人の名前が初めて現れる。前11世紀末、アラム人はシリア北部のユーフラテス川の両岸にビト・アディニという王国をつくり、ハーブール川流域からダマスカスを含むアンティ・レバノン山脈地域までを領有した。バビロンでも前9世紀にカルデア人(アラム系遊牧民)として知られる王国をつくったが、最終的に前8世紀にはアッシリア帝国によって滅ぼされた。しかし、アラム語はアッシリア時代にすでに国際商業語であり、その文字は西アジアで広く用いられた。
[糸賀昌昭]
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