デジタル大辞泉 「ラムネ」の意味・読み・例文・類語
ラムネ
1 炭酸水にレモン香料と砂糖で風味をつけた日本独特の清涼飲料。ガラス玉の入った特殊な瓶に詰め、ガラス玉がガス圧により持ち上げられて密栓をする。《季 夏》「れってるの濡れてはがれし―かな/万太郎」
2 1の味を模した菓子。コーンスターチに粉砂糖・クエン酸を混ぜ、粒状にして乾燥させたもの。重曹を加えたものもある。ラムネ菓子。
3 《1を飲むとげっぷが出るところから》月賦をいう。
フランスの思想家。フランス革命後のカトリシズムに政治的自由主義を導入した。ブルターニュのサン・マロで生まれる。1816年司祭に叙階、『宗教無関心論』4巻(1817~1823)の刊行で爆発的な名声を得た。フランスにおける教皇権の制限を主張するガリカニズムを攻撃し、教皇権至上論(ウルトラモンタニズム)にたった。信仰と合一した「共同の理性」を主張、『未来』(ラブニール)誌を発刊(1830)してリベラルなキリスト教を鼓吹した。しかし、宗教と政治を混同したとして、教皇教書により再度告発破門された(1832、1834)。それ以後は教権の打倒を訴え、ローマ教会を捨てて「人類のキリスト教」を提唱、『哲学草案』(1840~1846年。公刊は1906年)を書きつつも、孤独のうちに死去した。
[池長 澄 2015年6月17日]
『岳野慶作訳『宗教無関心論(抄訳)』(1948・中央出版社)』▽『ラム・ネー著、松下和則訳『信者の言葉』(1948・創芸社)』▽『ラムネー著、田辺貞之助訳『民衆に与ふる書』(1949・創元社)』
清涼飲料の一種。レモン風味の炭酸飲料である。ラムネはレモネードlemonadeのなまった呼び名だといわれている。日本への伝来は1853年(嘉永6)のペリー来航のときという説と、1860年(万延1)に長崎港へきたイギリス人が伝えたという説とがある。この時代には、欧米でソーダ水が盛んに飲まれていたが、日本へ伝わったものの形態・風味は不明である。伝わった当時は、おもに居留地に住む外国人に飲まれていたが、明治に入って、日本人の間でも一般に飲まれるようになり、その後、日本では他国に比べ、長期にわたり人気をよぶ飲料となった。
ラムネの特徴は、玉入れ瓶といった独特の形をした容器にある。瓶内のガラス玉がガス圧によって持ち上げられて密栓をしている。この密封法は1800年代にイギリス人のハイラム・コッドによって考案されたものである。それまで二酸化炭素を圧入した炭酸系飲料や発泡酒の密封法としてはコルクがよく使われ、その後、多くのものは王冠に変化した。ラムネについても、初期のころはきゅうり瓶とよばれるコルク栓で、底のとがった形(コルクを乾燥させないよう横に倒しておくための形)であった。明治時代になってから玉入れ瓶が普及し、多くのラムネ製造業者が現れている。明治の後半から昭和20年代までが庶民の飲み物としてラムネの全盛時代であった。その後各種のジュースやコーラに人気が移り、ラムネは急速に姿を消した。1969年(昭和44)ごろから郷愁を誘うものとして、縁日などで人気が復活している。
[河野友美・大滝 緑]
炭酸飲料の一種。レモネードのなまった語で,1853年(嘉永6)来航したペリーの艦隊によって紹介されたとも,60年(万延1)に長崎港へ入ったイギリス船によってもたらされたともいう。日本人で最初に製造販売したのは長崎の藤瀬半兵衛で,その開業は65年(慶応1)のこととされる。サイダーとほぼ同じ成分のもので,独特の玉入りのガラスびんに詰められている。このびんは1843年(天保14)にイギリス人ハイラム・コッドが発明したもので,当初は清涼飲料用としてひろく使用されたが,王冠栓の発明普及にともなって衰退し,ラムネだけに使われるようになった。こうしてラムネは,開栓時の音とともに郷愁をさそう飲物として独特の人気をもちつづけ,現在の清涼飲料業界では中小業者のみが製造にあたり,大企業の参入がないという特殊な分野となっている。なお,1982年2月の食品衛生法改正にともない玉入りプラスチックびん詰の製品も出回るようになった。
執筆者:菅原 龍幸
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