ラムネ(読み)らむね(英語表記)Félicité Robert de Lamennais

デジタル大辞泉 「ラムネ」の意味・読み・例文・類語

ラムネ

lemonadeから》
炭酸水レモン香料と砂糖で風味をつけた日本独特の清涼飲料ガラス玉の入った特殊な瓶に詰め、ガラス玉がガス圧により持ち上げられて密栓をする。 夏》「れってるの濡れてはがれし―かな/万太郎
1の味を模した菓子。コーンスターチ粉砂糖クエン酸を混ぜ、粒状にして乾燥させたもの。重曹を加えたものもある。ラムネ菓子。
1を飲むとげっぷが出るところから》月賦をいう。

ラムネ(Félicité Robert de Lamennais)

[1782~1854]フランスカトリック思想家。初めは教皇至上主義の司祭であったが、のちに時の教皇と対立して破門され、以後はキリスト教社会主義を唱えた。著「宗教無関心論」「信者の言葉」など。

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精選版 日本国語大辞典 「ラムネ」の意味・読み・例文・類語

ラムネ

  1. 〘 名詞 〙 ( レモネードの変化した語 )
  2. 清涼飲料の一つ。炭酸ガスを水に溶かし、砂糖とレモン汁で調味したもの。びんにつめ、ガラス玉で栓をする。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「炎暑除(あつさよけ)の『ラムネ』に咽を湿らし」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉八)
  3. ( を飲むとげっぷが出るところから ) 月賦(げっぷ)をいう俗語。
    1. [初出の実例]「正直に今月のラムネを払ふンぢゃなかった」(出典:海景異彩(1936)〈獅子文六〉一)

ラムネ

  1. ( Félicité Robert de Lamennais フェリシテ=ロベール=ド━ ) フランスのカトリック思想家、キリスト教社会主義者。最初、カトリックの伝統的な教皇至上主義の復権を唱えたが、一八三〇年の革命以後、カトリックの伝統主義を捨てて、キリスト教社会主義に走り、サン=シモンの流れに同調して、カトリック教権の打倒と民衆の解放を主張した。著「宗教に関する無関心論」「信者の言葉」「人民の本」。(一七八二‐一八五四

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラムネ」の意味・わかりやすい解説

ラムネ(Félicité Robert de Lamennais)
らむね
Félicité Robert de Lamennais
(1782―1854)

フランスの思想家。フランス革命後のカトリシズムに政治的自由主義を導入した。ブルターニュのサン・マロで生まれる。1816年司祭に叙階、『宗教無関心論』4巻(1817~1823)の刊行で爆発的な名声を得た。フランスにおける教皇権の制限を主張するガリカニズムを攻撃し、教皇権至上論(ウルトラモンタニズム)にたった。信仰と合一した「共同の理性」を主張、『未来』(ラブニール)誌を発刊(1830)してリベラルなキリスト教を鼓吹した。しかし、宗教と政治を混同したとして、教皇教書により再度告発破門された(1832、1834)。それ以後は教権の打倒を訴え、ローマ教会を捨てて「人類のキリスト教」を提唱、『哲学草案』(1840~1846年。公刊は1906年)を書きつつも、孤独のうちに死去した。

[池長 澄 2015年6月17日]

『岳野慶作訳『宗教無関心論(抄訳)』(1948・中央出版社)』『ラム・ネー著、松下和則訳『信者の言葉』(1948・創芸社)』『ラムネー著、田辺貞之助訳『民衆に与ふる書』(1949・創元社)』


ラムネ(清涼飲料)
らむね

清涼飲料の一種。レモン風味の炭酸飲料である。ラムネはレモネードlemonadeのなまった呼び名だといわれている。日本への伝来は1853年(嘉永6)のペリー来航のときという説と、1860年(万延1)に長崎港へきたイギリス人が伝えたという説とがある。この時代には、欧米でソーダ水が盛んに飲まれていたが、日本へ伝わったものの形態・風味は不明である。伝わった当時は、おもに居留地に住む外国人に飲まれていたが、明治に入って、日本人の間でも一般に飲まれるようになり、その後、日本では他国に比べ、長期にわたり人気をよぶ飲料となった。

 ラムネの特徴は、玉入れ瓶といった独特の形をした容器にある。瓶内のガラス玉がガス圧によって持ち上げられて密栓をしている。この密封法は1800年代にイギリス人のハイラム・コッドによって考案されたものである。それまで二酸化炭素を圧入した炭酸系飲料や発泡酒の密封法としてはコルクがよく使われ、その後、多くのものは王冠に変化した。ラムネについても、初期のころはきゅうり瓶とよばれるコルク栓で、底のとがった形(コルクを乾燥させないよう横に倒しておくための形)であった。明治時代になってから玉入れ瓶が普及し、多くのラムネ製造業者が現れている。明治の後半から昭和20年代までが庶民の飲み物としてラムネの全盛時代であった。その後各種のジュースコーラに人気が移り、ラムネは急速に姿を消した。1969年(昭和44)ごろから郷愁を誘うものとして、縁日などで人気が復活している。

河野友美・大滝 緑]

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改訂新版 世界大百科事典 「ラムネ」の意味・わかりやすい解説

ラムネ

炭酸飲料の一種。レモネードのなまった語で,1853年(嘉永6)来航したペリーの艦隊によって紹介されたとも,60年(万延1)に長崎港へ入ったイギリス船によってもたらされたともいう。日本人で最初に製造販売したのは長崎の藤瀬半兵衛で,その開業は65年(慶応1)のこととされる。サイダーとほぼ同じ成分のもので,独特の玉入りのガラスびんに詰められている。このびんは1843年(天保14)にイギリス人ハイラム・コッドが発明したもので,当初は清涼飲料用としてひろく使用されたが,王冠栓の発明普及にともなって衰退し,ラムネだけに使われるようになった。こうしてラムネは,開栓時の音とともに郷愁をさそう飲物として独特の人気をもちつづけ,現在の清涼飲料業界では中小業者のみが製造にあたり,大企業の参入がないという特殊な分野となっている。なお,1982年2月の食品衛生法改正にともない玉入りプラスチックびん詰の製品も出回るようになった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラムネ」の意味・わかりやすい解説

ラムネ
Lamennais, Hugus Félicité Robert de

[生]1782.6.19. サンマロ
[没]1854.2.27. パリ
フランスの哲学者,宗教思想家。貴族の位を得た富裕な船主の家に生まれ,兄ジャンの影響のもとに宗教家を志した。教皇至上主義をうたう護教論を書き,官憲の追及を受けて一時亡命,帰国後 1816年司祭となる。全人類の合意のうえに立つカトリックの権威と,教皇権の強化を説く『宗教無関心論』 Essai sur l'indifférence en matière de religion (1817~23) で一躍名を高めた。 1830年の七月革命を機に,『アブニール』L'Avenir紙を発刊,君主制を非難して教会の民主化を説き,若い自由主義宗教思想家やロマン主義文学者を糾合した。その後さらにこの傾向を強め,カトリック教会の権威主義を告発,教会を離れて『一信者の言葉』 Paroles d'un croyant (1834) を書き,さらには『民衆の書』 Livre du peuple (1837) で平等主義を唱え,当時の宗教思想,文学に大きな波紋を投じた。 1848年の二月革命後,国民議会の議員に選ばれた。

ラムネ

清涼飲料の一種。レモネード lemonadeが転訛した呼称で,日本独特のもの。成分はサイダーとほとんど同じ炭酸飲料だが,特徴ある瓶によって親しまれている。瓶詰の飲料水は一般に外からの栓によって密封するが,ラムネ瓶はあらかじめ中にガラス玉を入れ,口元を両側からくびっておき,炭酸ガスがそのガラス玉を押上げて密封されるようになっている。

ラムネ
Lamennais(La Mennais), Jean Marie Robert de

[生]1780.9.8. サンマロ
[没]1860.12.26. プロエルメル
フランスの聖職者。著名な哲学者 H.ラムネの兄。 1804年司祭,12~17年サン・ブリュ総代理,22~27年パリ軍隊付き司教総代理。その後プロエルメル教職会摂理修女会の創立者として指導に専念。

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百科事典マイペディア 「ラムネ」の意味・わかりやすい解説

ラムネ

清涼飲料の一種。レモネードがなまった語という。1850年ごろ渡来,オランダ水とも呼ばれた。炭酸水に酸味料,甘味料,香料を加え,玉びんと称する特有のガラス玉入りのびんに詰める。内容的にはサイダーと同様。
→関連項目清涼飲料ビー玉

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飲み物がわかる辞典 「ラムネ」の解説

ラムネ


炭酸水に香料などでレモンの風味をつけ、甘味料を加えた清涼飲料水。容器に大きな特徴があり、ガラス玉が栓になる特殊な瓶で、ガラス玉はガス圧によって持ち上げられて瓶を密封する。飲むときに玉を瓶の中に押し込む。瓶の中ほどにはくびれがあって、玉はそこに収まるが、瓶を傾けるとそこより上の空間を転がるように音を立てて動く。◇「レモネード」の変化したもの。

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デジタル大辞泉プラス 「ラムネ」の解説

ラムネ

森永製菓株式会社が販売するラムネ菓子の商品名。飲料のラムネ瓶をかたどったケースに入っている。

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